2017年02月08日

地上の天国

いつも渋−−くいかめしい表情をして一人囲碁をさしているおじいさんが居る。

はたまた、歩行器をすぐに忘れて歩き出してしまうおじいさんや、片やリクライニングの車椅子で定位置に座っているものの「早くベッドへ戻せ!」と怒鳴るおじいさんもいる。

これにまた一人違うおじいさんも居て、四者四様、共通点と言えばすぐに怒鳴るし皆仲が悪くてしょっちゅう喧嘩しているということ。

病院やホームだとよくある光景なのだけど、一般の人が見たらビックリするだろうなあ。

しかし、私が大好きなお婆ちゃんは決してひけをとらず、このいかつい爺さんたちに向かって「うるしゃいっっっ!」と怒号してもはや混ざってしまう。

ところがある日、リクライニングのおじいさんが「誰か助けてーーー!戻してーー!」と叫ぶので、いつものことだと思っていた。

一番最初の頃は真面目にお部屋に自分で押して行ってベッドに戻してあげようとしていたし、冷静に仕事を続けている介護の人々を不思議に思ったのだけど、こうでもしないとまったく起きていてくれないしリハビリの観点的にごはんの時間帯だけは放っておかなければならないのだと知った。

しかし、そのいつもの叫びの後に「誰か助けてー!あのじじいが転んじゃうよおおお!」と続いた。

そして、それを助けようとして瞬時に囲碁のおじいさんが車椅子で出動して何を思ったか立ち上がってサークルなしのおじいさんを支えようとしたらしい。

普段は互いに「じじい!くそじじい!」とか言っているのに、皆優しいんだなあとビックリした。

お婆ちゃんも「転ばなくて良かったよーー。」と言っている。

またすぐ喧嘩するのだけど、根っこが優しいんだわ。

介護の男の声が聞こえる。

「僕の周りの人たちは皆優しい人ばかりですよ!」

辛いこともいっぱいあるにな。皆笑顔が素敵。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。

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posted by かおる at 06:00| Comment(0) | 看護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする