2017年04月15日

彼女が寡黙な理由を知った夜

屋上での昼休み、柔らかいおもちゃのボールでIさんとキャッチボールを気ままにやったのは一度切り。

グローブを持って来るようになってからもそのまま屋上でやろうと思っていた。

何せIさんが上手いので相手がどんなに下手でも取り損じることがない。それはキャッチャーという名のゴールキーパーと言った方が良いほどで。

そこに事務のK姉さんが参加することになった際「屋上では怖いから無理。地上で、施設の駐車場でやろう。」と。

確かに屋上よりずっと広いし良いかも。

と思ったが昼ごはんを食べたあと、何せ喫煙所も兼ねている屋上でとりあえずIさんと一服している際「かったりーなー。」とIさんが言った。

あれ?!と思った。

私もそう少々そう思っていた。屋上から地上に降りて喫煙できない場所へ行くのが。

K姉さんはまだIさんのキャッチボールを見たことがないから屋上が怖いんだろうな、大丈夫なのになあーとかツラツラ思っていたのだが、それは言ってはいけないことだと思っていた。

それをあんまり簡単に言うものだからビックリしてしまった。

でも、まあ、広いところも楽しいでしょうから行きましょうということで半分は車の通りが少ない道路、もう半分くらいのスペースは施設の敷地内という状況で三人で始まったキャッチボール。

結果、屋上よりも怖かった。

K姉さんはパワフルで肩が強いがコントロールが。。。。

だが、やがて、そのK姉さんのその剛速球とコントロールの無さが私たちを鍛えることとなった。

最近はゲッツーの練習が始まったりしている。

とは言うものの、K姉さんは気を使っているのか本当に疲れてしまうのか分からないがすぐに休憩する。

そこがまたK姉さんの面白いところ。

で、結果、Iさんと私とで二人でやることが最も多い。

身体が出来上がっているはずのIさんが「なんか、私たち基本を固めてうまくなってるよね。さすがにここが痛いわ。」と言う。

確かに。基本ね、基本。

オペ室ナースで言うと盲腸のオペを何度もやっているみたい。

最初の2回目くらいは身体を動かした後の独特な筋肉痛があったが今はもうほとんど無いし、気が付けば筋肉がついている。

たかだか数十分のキャッチボールでそんなになるもんかと思いきや、始めてから一か月も経っていないうちに身体に変化が。

仕事での変な身体の痛みは依然としてあるけどね。

Iさんの出勤日が隔日なもんで、結果48時間ごとにやっているってのが良いんじゃない?と言いつつボールを投げると「そうだね。」と返って来る。

仕事中は互いに敬語なのにこの時間だけは互いにため口。

それどころか、回を重ねるごとに仕事中の敬語がなおさら丁寧さを増した敬語になっていっていることに気が付いた。

相手はどうだか知らないけれど、私の方はおそらく知れば知るほどその凄さが分かって尊敬してしまうからおのずとそうなってしまっているらしい。

仕事中よそよそしいのにいつもグローブの袋をさげて昼休みの終わりに一緒のエレベーターで三階へあがり、屋上への階段を一緒に登り、そしてそこまで色々しゃべくって、一服した後にはそれぞれの部署へ帰る。

その様子がいつの間にか色んな人の目につくようになったせいか「Iさんと仲良いね。メールやラインでも話すの?」と訊かれたのだけど、「メルアドも電話番号も知らないし、ラインやっているかどうかも知らない。」と答える。

相手が不思議そうに色々尋ねて来るのだけど「それも知らない。何にも知らない。」と答える。

けれども、ある日、とある計画にて一緒にバッドを振り回した夜、ラインを交換することになった。

その日の夜は色んなことがあった。

色んなものを見て、色んなことに出会った。

街は桜のじゅうたんが至るところに積もっていた。
*****
今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。

ランキング参加中です。クリックして下さると励みになります。黒ハート
posted by かおる at 06:00| Comment(0) | 恋愛・友情・仲間とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする