2017年04月17日

桜の花びらとギターのピック

事務のK姉さんが「三人でバッティングセンター行こうよ。」と言った時、私とIさんは「そ、そうですね。」と生返事だった。

おそらく私と同じくIさんもそういうの大好きなのだけど、いったいいつ行けるんだ?という気持ちや、つい最近親しくなったばかりの相手とプライベートの時間を過ごすのか?という思いなどがあったんじゃないかな。

しかし、その生返事に対して日にちをおいて3プッシュ、4プッシュとされるうちにIさんが「じゃ、行こうか?」となった。

その上、三者三様の職種が違う上での勤務表を照らし合わせ、K姉さんが「尾崎さんはここでの仕事の日は疲れるから飲みにも行きたくないって言ってたよね?じゃ、尾崎さんが休みの日にしよう。」と仰り、Iさんは、「O駅にあるバッティングセンターに行こうと思ったけど、立川にも店舗があるから立川に行こう。」と仰る。

何と言う気遣いの人たち。O駅ならバスで10分くらいなのに。

勤務の日でも行くし、O駅の方でも大丈夫だと主張したのだけど、心配そうになさるので「じゃ、両方行きましょう。まずは近隣のO駅の方で!」ということで話が決まった。

しかし、「楽しみだわ!」とK姉さんが一番喜んでくださっていたのに、何と当日になって発熱と体調不良で休んでいらっしゃったので、あららら!

心配は心配なのだけど、Iさんと笑ってしまったのだ。あのはしゃぎぶりと寝込むという対比。

そして、わずか数十分とは言えキャッチボールがハード過ぎて弱ってしまったんじゃないか?という予想。

今度から「はい、休んで。」とマネージメントしなきゃね。と笑うのだけど、私もIさんも取りやめにする気が全く無くて二人で仕事帰りに行くことになった。無言だけど。

自転車で通勤なさっているIさんに「私、バスで追いかけますから先に行っていて下さいよ。」と言ったのだけど「O駅までブラブラ歩いて行きませんか?嫌なら良いけど。」と言われる。

嫌なものか。

それで自転車を引っ張っているIさんと桜絨毯の住宅街をゆっくり歩いてO駅まで散歩した。

何だか、「歩くの、早くありませんか?早かったら言って下さいね。」とぽつんと一言言ったり、必ず車道側を歩いたりと、何だか凄く優しい。ってか、それ、女の優しさとちと違うような。

駅についてお薦めの巻きタバコの材料と巻く器械を買って、「巻紙はプレゼントする。持って来たから買わなくて良い。」と言ってくれたり。

それから目的のバッティングセンターに行ってIさんのスゥイングを見て、やっぱすげーなーと思う。

しかし、二人とも何十年かぶりだったのですぐに手が痛くなる。一番遅い80キロの球より100キロの方がよく当たった。

いい加減疲れたあと、エアー何とかというゲームがあったので「懐かしい!これやろうよ。」ということで興じる。めっちゃ怖いほどムキになっていたけれど、唯一Iさんに勝てたゲームとなった。

ベンチに座って「いててて。」と手を押さえる私たちだったが、「・・・・。もう1ゲーム振ろうか。」ということでまたバッティング。

それから少し夜の街をふらふらして飲み屋さんに入って三杯ほど飲みつつ色々な話をした。

この駅まで来る途中歩きながら「休みの日は何やってるんですか?」と言われたので自然に「心理カウンセラーなんですよ。あんまり休まないんです、私。」と話していたのだけど、そのせいか、Iさんが珍しくホーム以外での仕事の話を饒舌に語ってくれた。

そしてかつて夢見ていたことが叶わなかったことや、それでもそれを福祉に生かしている話や。

好きな音楽や映画は不思議とシンクロして盛り上がった。

おもむろにギターのピックを「これ、あげるよ。」と下さった。

「わー、これ、Iさんが使っていたやつ?」と訊いたら「いや、新しいやつ。」と言われたので「使ったやつを下さい。」とずうずうしく言ったところ、少し笑って「じゃあ、はい。使い古したやつ。」と言って二つともくれた。お気に入りのやつだったろうに。

飲んでいるときから駅までの帰り道、Iさんがホーム以外で接している方々の話を聴いた。

「皆、あの方々のことを何も分からないとか言葉を持たないって言っているけど、言葉を持っているんです。誰も信じてくれないけど。」と私の掌を引き寄せて指文字を書いてくれた。「こうやって、ちゃんと意志を伝えているの。でも、誰にでもは言わない。分かって欲しいけど、誰にでもは言わない。信じてくれる人はいないけど。」

夜の街を歩きながら思わず泣きそうになった。信じるも何も絶対そうだもの。

もったいなくてべらべらは喋れないからいつも寡黙なのか。

大切なライブの日時を教えてくれて、そして大切な本をくれると言ってくれた。

それと同時進行でバッティングやキャッチボールについて「課題が浮き彫りになりましたね。」と笑い合っていた。

「私には心理カウンセリングとか分からない世界だなあ。」

全然良いですよ。分からなくて。私もIさんの世界に感動するけれど、自分には出来ないことだもの。

とは言いつつも、自分では使うことも出来ないピック二枚を大切な宝物だと感じて握りしめた。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。

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posted by かおる at 06:00| Comment(0) | 恋愛・友情・仲間とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする