2017年05月14日

インカム

看護の職場にインカムが導入された。

それは一週間ほど前の話なので看護以外の職種の人々は使い始めていたが、私は未だ着けていなかった。

冗談じゃないよなあ・・・と思う真意はなかなか他の人には分かって貰えないと思う。

まずはピッチ一つでも激しく動く職種には邪魔さや重さがあった。

白衣の上に着用している予防衣のポケットには様々な商売道具が入っている。挟みにペンライトに鉗子にペンにetc・・・・。ただでさえ重いのだ。

自分の身体一つ支えるのに精いっぱいな仕事というのもある。

でもまあ、そこまでは重いのを我慢すれば良いだけの話で多少動きに支障が出ても鍛えれば良い(?)

が、致命的な持ちたくない理由がある。

インカムのコードが利用者様の処置やトランスをしているときにひっかかりやすい。服の中に入れるとイヤフォンが取れやすい。

加えて五感が命の職種でもある。イヤフォン一つでも耳に入っていると非常に困る。そのイヤフォンから自分の仕事とは直接関係のない会話が終始流れているおかげで、おそらくは今聞き取るべきだった音がさえぎられてしまうだろう。

躓いたときの小さな音や痰が絡んだ音や、精一杯出しても小さな弱弱しい声で「おざきさん・・・」と呼ぶ利用者様の声や・・・。

目や耳や鼻が必要なのにあえて塞がれるのは非常に困るしこの仕事を理解してくれていないことの現れだなと思う。

とは言うものの、同じ看護職の人々だって五感が必要だと思っていない人もいるわけで自分のことばかり喋る人も居る。

結果、誰にも何も言わないでピッチのみのコンタクトで一週間過ごしたのだが先に使い始めた介護職の人々が私に会う度「もう、これ、嫌ですよ。困ります。」と言って来るので訳を聴いてみると、私が予測していた通りの不都合を仰るのでやっぱりなと思うのと同時に、「そうか、そうか。普段から五感を使って仕事しているんだな。頼もしいな。」と思う。

「ところで何で看護の人たちは着けてないんですか?」

あれ?そう言えば他のナースも着けていないな。まず私にオリエンテーションがあった日に、皆に使い方を教えて配ったんだけどな。いちおう上の方針だからね。

なので「なんで皆使わないんですか。」と言ったところ一番最初に出た言葉が「尾崎さんが着けてないから。」と言うのでまずこけた。次の理由が「わかんないんだもん。」だった。いやいや、使い方はちゃんと言いました!

でも、自分が着けないのだからそれ以上何も言わなかったのだけど、事態が変わった。

施設中のナースコールを新しくすべく工事が始まり邪魔臭かったということがあり、その後、ピッチも新しいものに変えるとのことで、私が休みの日に全部回収されてしまったらしい。しかも新しいピッチを貰えるのは来週だと言うじゃないか。

なんでそういうことするかな。皆どうやって連絡を取り合うんだ。

「だからインカム着けて下さい。」

ううっ、仕方ない。

もう予防衣など着ていられないので脱いで、さらに備えあれば憂いなしの商売道具まで最小限に抑えて重いインカムを持ち、マイクを襟につけて邪魔くさいコードをなるべく引っかからないように装着。

ああ、聞きたくない声まで聞こえて来るんだろうな・・・と思い気持ちで始まった一日だったがそうも言っていられない。忙しいんだから。

結果、共通に聞こえていた声で一番多かったのは「おざきさん。おざきさん●●さんが転倒したので二階にいらして下さい。」とか「おざきさん、だれだれがお風呂からあがりました。」「だれそれがお見えになっていますので一階の事務所の前まで・・・」とか諸々。

しかし、皆共通で聞こえているので「おざきさん、ショートステイの方がお見えになりましたー。」と誰かが送信すると先に仕事を頼んでいた人が「あ。大丈夫ですか?」と言ってくれる。

事務所や各ステーションには、イヤフォンを外した状態で皆の会話が放送している状態で聞こえるべくラジオのようなインカムが置いてある。

結果「看護って・・・リーダーって忙しいんですね。」と言われる。

どちらかと言うとそれまで看護はあまり働いていないと思われていたようだ。

事務所の人は「皆の声が聞こえて嬉しい」とも仰る。「それに他の部署の人がどんなに大変か分かってくれて良かったんじゃない?」とも。

しかし私はというと、一日中耳の中に直接聞こえていた音のために激しい頭痛。

あと、忙しいんですね、働いているんですねとか別に分かって貰えなくても良い。実際働いてるんだから。誰に分かって貰わなくとも鬼忙しいわ。

しかし、唯一便利だなと思ったのは、入浴係に声をかけるときなど。

「IさんかHさん。」と言うと「はい。Iです。」と返って来るので「●さんの処置道具、下にある?」と訊くと「ありますよ。」と答えてくれる。

地下の入浴場と三階ではずいぶん距離があるし、わざわざピッチを慣らすと先方の手を止めることになってしまうし、こればかりは助かった。

あと、使い方が上手な他のフロアの介護の子は「尾崎さん、三階にいらっしゃいますか?」と話しかけて来て「はい。」と答えると、下の階から上がって来て込み入った要件を伝えてくれたりとか。

ピッチが戻って来たらすぐはずそうと思っていたものの、色々と助かった点もあり検討中。

が、以前として「これ、嫌ですよね。」と仕事が出来る介護の人が一日の終わりにわざわざ上がって来てまで言うのを聴くと・・・「うん。」と答えてしまう。

まったく空港勤務でもあるまいし・・・。いや、話は戻るが、自分には関係のない件で聴きたくないやつの声が聞こえて来るのが何よりも嫌だろうな。この一日の間ではそんな機会はなかったけれど。

そう思っている間に新しいピッチが来た。(これについても驚愕なことがあったがそれはまた後日。)

ピッチが来たのでインカムははずしても支障ないような気がする。さて、明日からどうしよ。
*****
今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。

ランキング参加中です。クリックして下さると励みになります。黒ハート
posted by かおる at 06:00| Comment(0) | めんどーーー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする