2016年08月21日

いつか来るとは思っていたが

特別養護老人ホームでのお仕事。先月から数えるともう10回くらいは出勤した。

特養自体が初めての分野なのでチキンの私はビビっていた上に、2か月程度で派遣先を変えて早四か所目。もっとチキンになった現状というのは、特養という施設の仕事のやり方というものに全く法則がないことだった。

こんなに業務内容にばらつきがある世界ってある?と驚くのだけど、そこに長年勤めているナースさんにとってはそれがあたりまえなのだ。

が、しばらくすると今の場所でも色んなことが見えて来た。教えてくれることにはしっかり耳を傾けて改めて行かねばならないが、ああ、何でも鵜呑みにしてはいけないのだなということ。

動ける高齢者の方々もいらっしゃるが経管栄養などをやっていて寝たきりの方が二人も三人も痰をガラガラ言わせてつまりそうになっているときはすぐに吸引してあげないと恐ろしい呼吸苦と恐怖感を与えてしまうし、お風呂あがりについでに褥瘡やら温存療法の癌のケアをする人がいれば、早く服を着せてあげたくて待っている本人や介護者さんのために一目散に飛んで行かなければならない。

そりゃ病院の外科もスピードや判断力が求められていたものの、老人ホームにだってそれなりにあるのよね。

しかしそこにピッチは鳴って「ショートを取りに行ける?」と言われる。まあ病院でいう入院みたいなものだ。

なので「はい。今風呂で処置しているんですけど、すぐ行きますね。」と言うと「え?すぐ行けない?」と言われる。いや、すぐ行くけど、目の前の人も風邪ひかせちゃならんでしょう。処置して服着せてからね。。。。

で、多分その先輩が逆の立場だったらこの処置を題材に介護の人にあれこれお叱りを浴びせたり解説したりしつつやるから、きっと時間がかかる作業だと認識なさっているのだと思う。

段々事情が分かって来たのでごちゃごちゃ付け加えず「はい、すぐ行きます。」とだけ答える。

「あのね、ここのお掃除がね。。。」とか「あのね、注射器の水切りってのはこうやるの!」と仰ってくださっているのもゆっくり聴きたいのだけど、すみません。先に痰を吸引して来ますの世界。

これ、どこの世界でもデジャブだなあ・・・。かつて居たところはお一方もこのタイプのナースさんがいなかったので凄く楽だったのだけど。

とは言え、まだまだ常勤さんが出来ることを網羅出来ていないので精進しよう。謙虚な気持ちで教わろう。

そう思いつつ就寝すべくベッドに入ったのが午前1時半だった。よし、この時間ならば朝の6時に余裕で起きられることだろう。と、またしても久々に施設に行く前にワクワクしていたのだった。

*********

ところが午前四時頃、なんだか廊下が騒がしい。私、6時まで寝たいんだけど、いったい何の騒ぎかなあ?と思っていたら、お婆ちゃんと次女くんが部屋の前で騒いでいる。

「ちょっと!トシ!トシ!助けて!」と息子の名前を呼ぶお婆ちゃんに対して、次女くんが「バカ!こういうときにお父さん呼んでどうする。お母さんだろ?!」と叫んでいる。

「いや、かおるさんには持ち上がりませんで。」と婆ちゃんの声。

応えて「持ちあげりゃ良いってもんじゃないでしょうが!そこだけ考えんなよ。その後、どうすんだよ!主題は具合が悪いってことなんだからさ!」という次女くんの声。

いったいなんじゃいなと目をこすりながら出て行ったところ、何やらいっぱい言っていたが、雰囲気的には爺ちゃんに何かあったのだろ思ったのですぐに動いた。階下を下りながら話を聴いたところによると、おじいちゃんが2時にトイレに行くときずいぶんふらついていたなと思っていたが、無事に帰って来たと。

しかし、今トイレへ行ったところ、ベッドから降りたのは良いが座り込んで立ち上がれなくなったのだという。

四人で降りて行くと息切れしたお爺ちゃんがハアハア言って、これまたふすまとベッドの間にしゃがみこんでいた。

夫が爺ちゃんの手を引っ張ろうとするので、ストップをかけたのは、皮膚が極端にもろくなっているので強く握ると紫斑が出来たり、下手すると皮がずるむけるから。

私はベッドの上を渡ってお爺ちゃんの後ろに周り「お義父さん、前かがみになるようにして下さい。そしたらお尻が少しありがりますから。」とお願いした。

すかさずそこに手を入れた後夫に「今、今、手をつかまないで。そっとね。脇の下あたりに両腕入れてくれると助かる。優しくグリップしてね。」と、自分はお尻を持ち上げつつ起こして貰った。

しかし、ふっらふら。めまいですか?なんなんですか。

とにかく、腰のところへ手を添えて排尿成功。「お義父さん!こんなときまでトイレのスリッパはかなくて良いんです。神様も許してくれますから!」と叫んでしまったのはスリッパを履くことすら転倒の原因になりかねなかったから。

悪寒戦慄がするというので熱を測ったら7度代だった。これからもっとあがることが予想される。

手術をしてから片肺になったのでベッドに戻るよりソファーでファーラー位になっていて貰った。血圧は動揺したせいもあるのだけど、190を超えていた。

「足がだるいんやろ、じゃ、足を高くするか。」

あかんです。余計に血圧あがるから今はダメ。

「あ。そなの。」

そうこうしているうちにまた尿意が催して来て、結局三回も四回目もトイレに行った。

いくら晩年になって痩せていらっしゃるとは言え、あいかわらず巨漢のうちに入るのでこんなん力でやっていると家族全員の腰が偉いことになる。

なので、「前かがみになって1、2、3のリズムで立てますよ。さんはいっ!」の掛け声でほとんど立ち上がれるという方法をとる。まあ、歩いているときは手を離せないんだけど。

この症状って、ただの感冒なら良いのだけど、この頻尿さ加減と尿量をみると、絶対膀胱炎とか腎炎とか、何らかの尿路感染が疑われる。

そのうちに、ソファーに戻って来る度に胃液様のものを嘔吐するようになった。これは血圧が高いからだろう。

まあ、とにかく夜があけたら病院へいかなくてはならない。

朝までトイレ介助をしたときに思ったのだが、お婆ちゃんには無理である。

あと先生の話も聴きたいというのもあって、とうとう施設に欠勤の電話をかけた。

先方にご迷惑をかけるのは重々承知なのだけど、あきまへん。もう誰にどう思われても良い。

そして、一緒に受診について行って。検査や診断を聴いたら、やはり尿路感染だった。

というわけで仕事に穴をあけてしまったが、まじどう思われても良い。

原因が分かったし内服も出たし。熱も下がるだろう。ただ、尿道のカテーテル入れてくれている泌尿器の先生にもこのこと言わなくちゃなあ。

しかし、ビックリするやら安心するやらということもあった。受診中に測定したところ、SATが片肺なのに100パーセント取れる人って初めて見た。やっぱり強靭だ、爺ちゃん。

***********

ただ、ちょいと考えることがある。

自宅サロンという言葉が浮かんでしまうのだ。皆、お爺ちゃんへの思いがあるのだけど、いかんせん、微妙に対処法が分からないので、こんなときくらいにしか役に立たない私が居た方がどれだけ良いだろうか、

夕方までには自分でスタスたあるけるようにはなったものの、そろそろ色んなことを考えなければならない時期に近づいているのかも知れない。

でも、まあ、もうししばし様子を見てみよう。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。


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posted by かおる at 06:00| Comment(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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