2016年10月11日

おめでとう ありがとう

お爺ちゃんの誕生会だった。

今まで見たことのない強いハートの闘病生活を乗り越えて来られての今日なので、嬉しくて仕方がない。

まだまだ強くて頑固で色んなお店、色んな人間を観て来たお爺ちゃんが珍しく気に入ってくれた近所のお寿司屋さんで。

初めて連れて来たときは「今年の誕生日までもつかどうかわからないから早く行った方が良い。今行った方が良い。」と次女くんが真剣に言っていたほどなのだけど、嬉しいことに数年過ぎて今年もこの日をお祝いすることが出来た。

初めてこの店に来たときと同様、ホワイトボードに書かれた今日のお薦めメニューの方向へ首を伸ばして食い入るように見ていた。

敦賀出身のお爺ちゃんは魚好きでマニアック。私たちの知らない名前のお魚をよく知っていて「ほう、これがあるのか。」と呟く。

そしてマスターがまた頼もしくて「大抵のものはありますよ。」と言ってしまう。

ほとんど物を言わず、ただただ野球を観たり、無言で魚に食い入っている強面のお爺ちゃんを初めて対面したときから、何だか私たちだけで行った際にも嬉しそうにうちのお爺ちゃんの話をしてくれる。

「時々同じようなタイプのおやじさんがいらっしゃるんだけど、ほんとに魚が好きだね。無心で食べて下さる。」等、あれ以降単独でお爺ちゃんが来たときの話なども。

お爺ちゃんとお婆ちゃんにはお仕事現役中の頃からの規則正しい生活のペースがあって、いつも夕飯は早い時間でささーーっと15分くらいで終わってしまうし、外に食べに行った際もどんなに長くてもせいぜい1時間いたら良いほうで。

ところがこのお店に2時間も居た。

日本酒を美味しそうに飲むお爺ちゃんを観て驚愕ですわ。あんな大病と共に暮らしつつも「強いなあ。」と思う。私の方がもう全然飲めなくなってるからね。

二時間後タクシーを呼んでお爺ちゃんとお婆ちゃんが帰っていく。

それはお爺ちゃんが「ちゃんと食えたか?そうか、じゃあ、帰るか。」とお婆ちゃんに声をかける一言でバタバタと私たちが動き出すタイミング。

一緒に帰ろうとしたのに「あんたぁ、トシに付き合ってやって。」というお婆ちゃん。いえ、あの、私も帰りたいのですが&もう充分なのですが・・・と思うのだけどわが子の性格を知っている感じを受けて夫婦で残る。

マスターが「俺のおやじは早世したけどね、亡くなる寸前まで毎日飲んで、たばこは一日二本くらいってのを続けていて、幸せそうだった。」と語ってくれた。マスターのおうちは何気に早世の家系だと教えてくれたのだけど、いつもとても楽しそうだ。

マスターだって口数が多い方じゃないのにお爺ちゃんが来ると「煮魚いっておきますか?」等結構話しかけてくれるし、そのタイミングが過剰接客でもなく的を得た接客で愛情すら感じるせいか、そこもお爺ちゃんがこの店を気に入っている理由の一つなのかなと思う。

静かに時が流れて行く。

「80過ぎてまで誕生会なんてもうええよ。」というお婆ちゃん。「もう来年からやめてや。恥ずかしいわ・」と仰ったけれど。

いえ、やっぱりうれしいじゃないですか。なかなか気持ちを表すチャンスが無いので何かできて凄く嬉しいです。と言ったら、確かに伝わった手ごたえ。無口だけど、分かるこの空気。

長生きしていただける幸せや美味しいものを美味しいと楽しんでくれる幸せ。

とても大切な瞬間だった。

今日という日は二度と来ないから。

大事に過ごすということを続けながら、傍らにいて下さった人の未来を祈る。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。


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posted by かおる at 12:25| Comment(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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