2016年11月02日

松坂牛

三回もの癌の手術を。でも、元気になっていくお義父さん。

そりゃあ、高齢だし片肺になったので完治というわけには行かないかも知れないけれど、あきらかに生きるエネルギーだけは戻って来た。

すると、年々優しくなって来ていた爺ちゃんが昔に逆戻り。つまりは非常に冷たくなった。

まあ、優しくなったっちゅうても、笑うようになったり、挨拶すると「おかえり」とか「うむ。」とか返答が返って来る程度だったのだが、それはそれで非常に嬉しかった。

ただ私としては、この人の場合は優しくなると弱っているんじゃないか?という危惧があったので、昔のように冷たく不愛想になって嬉しい。

「あれ?私に挨拶しなくて良いの?」なんて言った暁には破壊力が強すぎてまた状態が悪くなっちゃうかも知れないから、しおらしい嫁でいよう。いや、私も若かりし頃があまりに悪すぎたのよ。

そんな折、お歳暮で松坂牛と宮崎牛の詰め合わせをいただいた。

爺ちゃんはすき焼が大好きである。多分昔苦労した頃に初めてすき焼を食べたのが美味しかったのかな。

私たち夫と次女くんはどちらかと言うと甘くないしゃぶしゃぶの方が好きなのだけど、爺ちゃんのためにすき焼にしようかということになる。

どうせ、次女くんしか沢山食べられる人はいない。ましてや良いお肉だと中年&高齢者は2〜3枚でお腹いっぱいになっちゃうし。

すると、何だかお爺ちゃんがニコニコ鍋奉行になった。

「いいから、おまえも座っとれよ。」と。

あれー。大丈夫?でも、これは爺ちゃんが心底楽しいことで優しくなっているのだから良いか。それに元気な頃も気分屋だったことを思い出した。

5人で鍋を囲み、鍋奉行様も含め美味しく食べた。

いただきものでもなければこんなお肉食べられないし。

夫が「牛肉にホースラディッシュ付けると美味いよな。まだあった?」と言う。

ええ、ありますけど、最近よくホースラディッシュ使うね。

「うん、こんな美味いもんあったんだね。新しい。」

・・・・・・・・・。

新しくない。もう何十年もホースラディッシュ食べていらっしゃいますよ、夫よ。

「そんなことないよ。昨年あたりからだよ。一番最初はローストビーフに添えてくれたんだよね。」

いいえ、あなたは刺身でもなんでもホースラディッシュを使って食べていらっしゃいます。

「刺身にはわさびつけてるだろ。」

あのチューブのわさびは、ホースラディッシュに着色してあるだけなんですよ。

「え?まじで?」

まじ。

「えええ。じゃあ、今度から本わさびって書いてあるやつだけにしようよ。」

・・・・。本わさびー!と思い切り書いてあるパッケージのものも、よく見ると”本わさび入り”と書いてあります。100パーセントじゃないんですよねえ。ほとんどホースラディッシュ。ホースラディッシュがいっぱい。

少なくともこの辺りのスーパーは、わさびそのものが売っていないけど、今度見つけて来たらすりおろしてあげるね。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

ショックを隠せない夫だった。

でも、美味しいんだから良いじゃんね。

え?!あ、あれえええ?爺ちゃんも無言で目が点、口が貝になっている。

言うんじゃなかった。ごめん。
*****
今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。


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posted by かおる at 06:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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