2017年01月15日

キラキラ

花火の華やかさや輝きは燃え尽きて散って行くその一歩手前。

大空に大きく広がる花火でも小さな線香花火でもそれは同じ原理。

人の生きざまにもそれは出るのかも知れない。

パッと輝いている瞬間と散って行く瞬間の区別もつかぬほど自然。

けれども、散るまでに輝く時間がうーーーんと長い人が沢山存在する。

それが老人ホームという場所でもある。何せほとんどの方々が90代なのだから。

その輝きを分かって貰える人というのが以外にも自分の娘世代の若者たちであったりもする。

とある階のフロアで血圧測ったり色々していたら、他の階専属のワーカーさんがいらして「〇さんはどこの席ですかー?」と言う。

うちの子より一つ年下のあの青年だった。別の階の所属だというのにお風呂から連れて上がって来てくれたのだ。

ああ、〇さんはこちらの席ですよ。と言いつつ、この人より何かを知っているなんてことは初めてのことだなあと思った。

今まで実に色んなことを教えて来てくれたから。利用者様の特徴とか個性とか。

と言っても解説するのではなく、彼の接し方や利用者様との会話を聴いていてこちらが勝手に学んだ。

車椅子からベッドに移るときも、褥瘡の処置をするときも、どこからともなく現れて自然に助けてくれていた。ちっとも押し付けがましくなく、知識もひけらかさず。

そんな彼と同じ階へ戻る途中、施設のとある工夫に無言で二人とも目が行く。

彼の方から「これ、なんですか?」と言う。

うーん、そうなんだよね。こうすれば分からないと思っているんじゃないかなあ。

「分かるよ。認知症がある人のことを舐めすぎですよね。」

うーん。ほんとそうなんだよね。ってか、あなたもそう思うんだ。

「施設やスタッフが利用者様たちに置いていかれているんですね。」

そうなのよ!
言ってもなかなか伝わらないのでたいていの場面で黙っていたけれど、そういう尊厳とか、人の心の中にある微妙な見下しやレスキューファンタジーの醜さを感じ取っているのがこんなに若い方だなんて嬉しい。

それから別々の仕事をしているものの、出くわす度にぽつりぽつりと話すのだけど、ある場面で彼も心理学をやっているということを知った。

「だって、僕が今勉強している職業に必要なんですよ。」

あー、なるほど!分かる気がする。傾聴できないとダメですもんね。そう、彼はとある難しい資格を取ろうとしている。医療ではないが、非常に大事なお仕事。

色んな引き出し持ってるねー。絵も描けるしコミュニケーション能力も長けているし、語学も凄いし心理学もやっているなんて。

「はい、自画自賛しつつ頑張っています。褒めて下さい。」

また爆笑してしまったのだけど、本当にたゆみなく日々の仕事を紡いでいる姿にはいつも感心させられる。

自宅へ帰って次女くんにその話をしたところ、「そうなんだよね。この年代、つまりはゆとり世代の最後の方ってそういう人材が多いんだよね。スケートの羽生君や・・・」と他にも色んな人の名前をあげてくれた。

そう言われるとちょっと分かる気がする。努力はするけれど、自然な感じで、負けず嫌いだけどスマートな印象。

その他色々と傾向があてはまる。

年齢って関係ないんだなあとつくづく思う頃、目に浮かぶのは、いつもいかめしい顔で一人将棋をさしているおじいさんの少年のような笑顔。「わっはっはっ!」。

意図していなくても全てを楽しもうと真面目に努力する人は、どんな人をもあんな顔にするのだろう。

どの年代の火も延々と色が変化し続ける花火のように輝いている。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。

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posted by かおる at 06:00| Comment(0) | 看護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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