何故ならばわざわざ騒ぎにしなくとも良いことを騒ぎにする人も居るから。
しかも何せナースなので激しすぎる。
が、幸か不幸か私もナースなので他の職種の人々ほどは振り回されない。気持ちが分かるし、そういう状態に陥って興奮している人との接し方を心理学を通して学んで来たというのもある。
なので聴く耳をもたずに誰かに怒鳴っている人のモーターが止まるまで自分の仕事をもくもくとしながら待つわけだが、そのパワフルなモーターに刺激されて他の人のモーターまで回りだすと、さすがに「うるさい!」と黙らせたくなってしまう。
さすがにそれは口に出さずに席をはずして他の場所を使って仕事をするか、静かに返事することを繰り返している。いや、そう言えば何度か「うるさい。今それ言ってどうなるの。」と言ったこともあるか。
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来月から往診の曜日もドクターも変わるしシステムが大きく変わることについてもお騒ぎになられていた。
あれはどうなるの?これはどうなるの?と同じ質問をワーワー上司に向けている大御所様だったが、どう考えても上司だって始めてみなければ分からないことばかり。
簡単に言うと不安で不穏なのだ。
しかもその初回の往診日のリーダーが私ではなくて自分になっているということを知った大御所様はますます不穏になった。
「間違ってるよね!!!?尾崎さんにするべきだよね?」
いやいや、誰でも良いでしょ。というか、むしろ、ここでのキャリアは私の何十倍もあるわけだから、Sさんの方が適任だと思ってリーダーにされたんじゃないですか?
私の小さな幸せを奪わないで、やって下さいよ。そう言って笑ったのは、実はそれより少し前に当日のリーダーじゃないと知っていた私だったから。
「何が小さな幸せですか!大きな幸せいっぱい持ってるんだから小さな幸せくらい私に下さいよ!」と怒られた。
他にも色々お騒ぎになっていることが多いので、その場はまあまあってことで収めたのだけど、それから午後一番になってのこと。
また違うフロアでもくもくと仕事をしていると廊下の遠−−くの方で私の名前を連呼している大きな声が何度も響いていた。
私を呼んでいるわけではなくて、廊下の往来の真ん中で上司に向かって「尾崎さんにして下さい!冗談じゃないです。尾崎さんに訊いてみて下さい。尾崎さんの方が・・・etc」ってな感じで訴えかけている。
上司の方は何せ一生懸命作成している勤務の割り当て。しかも、ほとんど私についているから、たまには大御所様にと思っていたのかも知れない。
遠くからでもむっとしているのが分かるし、何せ往来の真ん中なので色んなスタッフがじろじろ見ながら通りすがっているし、会話の内容も筒抜け。
なんたって、遠く離れている私にまで聞こえて来るわけだから。
あまりに自分の名前が何度も聞こえるものだから一旦の仕事の手を止め廊下に出て来た私だったが、30秒くらい唖然として見つめてしまった。
すると、あまりしゃべったことのないスタッフに至るまで「ふふっ。」と笑いかけて通り過ぎたり、逆にあっけにとられて見入っている人がいたり。
で、話の流れや大御所様の様子から、何だかまた私がただの怖い人にしたてあげられていく流れ。
・・・・・。もう、ええわ。
とにかく不穏を交わして平静に仕事をする。平静に考えるというのが昨今のテーマの一つでもあるらしい。
ちょっと休もう。私も疲れる。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。

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