2021年03月02日

ありがとう

事例研究発表会の日はKちゃんのチームに入れて貰ったうちの青年看護師に発表後も他の企業の事例研を見て勉強して貰うべく、勤務のメンバーからはずしていた。(まあそうすると現場に留守番人員を配置しなければならないので大変なのだけど)

しかし、ベテランのKちゃんは、いくら主任と言えど前の日が遅番だというのに、早朝から出勤して、そのまま発表後は遅番勤務に直撃するという恐ろしいハードさだった。でも、それで優秀賞だから余計にカッコいいけどね。

私は日勤中に全ての事例と審査と発表が終わっても定刻に帰れる勤務だったのでまだ楽な方だったはずなのに、既に施設に居る時からへとへとだった。

身体に震えが来るくらい疲れていた。緊張していたのだろう。

そうして一人帰り着いた自宅で電話が鳴ったので「えー、今帰って来たばかりなのにオンコールか。」と思い込んで出たところ、母だった。

普通の人にしてみれば何でもないことなのだけど、もう一生電話に出ないと決めていた数年前。

それは落ち込むとか悲しいとか何でもない出来事だった。

若い頃はいちいち母の非人道的なところを見ては本気で落ち込んだり、無神経なことを言ったり幾つになっても虚勢を張るところを見ては、自分が死にたい気持ちになったりしていた。

馬鹿だなーとも言えるのだけど、その頃の自分のことを私は笑わない。一生懸命だったねー、真剣だったねと褒めてあげたいくらいだ。

でも、ある時期から母親の在り様で自分の人生や日々を暗くすることを止めた。

そこから抜け出せない人たちを沢山知っている。当時の私と同様、それはそれで見下げない。まだまだ心理的に離れることができないというだけ。

但し、現実においてうまく行かないことがある度に親を引き合いに出して嘆く人やら親に文句言う人、いつまでも何十年も親のせいにしている人とは仲良くできない。

もうそろそろ親のせいじゃないだろって気づけよ、嫌なことがある度、何かを努力しなければならない時に親のせいにするのも頭おかしいから。

あるいは、友達とうまく行かない、会社でうまく行かないなどという場面に直面する度、突然『おかあさん、何で死んじゃったの?』と死別した親御さんのことを引き合いに出して嘆くのも甘え。親は関係ない。うまくいかないのは何故なのか?という事にいつかは向き合わなければならない。

というわけで、私もまた母なる人に産んで貰った一人。

母のせいに出来ることは何一つ残されていないので、ずっと連絡しなかった非礼を詫びた。

母は孫にお婆ちゃん、お婆ちゃんと呼ばれながら幸せそうに暮らしていた。

良かった と思った。

何十年か前は憎んでいたし、怒っていた。でも、今は幸せそうで、本当に良かった、ありがとうと思う。

それはとても嬉しいことだった。

母からの着信をスルーしたことは何度もある。ろくでもない頼み事が多かったからそれを恐れてたってのもある。

でも、このタイミングで電話に出ることになった。本当に唐突だったのだけど、つくづく神の御業は不思議だ。

それは幼い子供の頃から持っていた感覚なのだけど、何か大きなものに畏怖の念と感謝を今も感じている。
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2020年09月17日

出会いと別れ

以前にご逝去されたご利用者様の娘さんに「ライン交換しましょう。」と仰っていただき昨日メッセージを取り交わした。

思いのほかお元気そうで良かったなあと思う。

新型コロナウイルス流行の最中、面会もままならずお辛い思いをさせてしまった。

人の人生ってどこが終点なのか分からないのだけど、間違いなくご利用者様本人は最後の最後まで頑張られていた。

長く施設にいらした方で約4年前私がここに来たときには既に大先輩であったご利用者さまだった。

8年間ここに住んで下さったそうだ。

いつも思うのはご利用者様の人生の戦いを観てお別れも悲しいのだけど、その後ろにいるご家族とのお別れがまた互いに寂しいということ。

一緒に色んなことを話し合ったり時には疑念を持ったり、中には声を荒げることも。

誤解がとけたり笑い合ったり、そんな過程の最中、互いにご本人を大事にするという同じ目的を持っていたことに気が付く。

でもご家族とは親しいけれど一線をひくというのがマナーだと思っていたので、ラインでやり取りなんて初めてのこと。

今度お線香をあげにて来て下さい。お茶をしましょうと仰って下さった。

忙殺される中もっとお話ししたい故人のこと。もっと聴きたいその人の人生。

改めて出会いに感謝した。

もう苦しくないよね。よく頑張られましたね。Hさん、ありがとう。
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2020年04月06日

未来を作る今

久しぶりに休んだ。

8時間ほど寝て、スーパーと薬局へ。

晩御飯の仕込みをゆっくりしつつ、スープを作る過程で出来るチキンソテーをKとつまみ食いしたりビールを飲んだり。

スープが出来ればまたつまみ食い。チーズを食べたり映画を見たりだらだら。

でも一番幸せだったのは昼寝。

街はあいかわらず買い占め軍団が人を突き飛ばしてまで商品に手を伸ばす。

宅配業者の制服姿の人々も至るところで見られ、マスクをしたまま苦しいだろうにせっせっと働いている。

施設のこと、つまりは利用者さんのことをあれこれ考える日々は続くのだけど、とりあえずは家の中、部屋の中、ここを休めるパラダイスにする作業は楽しく終わり。

一番の得策は自分とパートナーがまずは健康でいること。

それで感染してしまったなら致し方がない部分があり、その準備は整えた。

次は仲間がかからないこと。これはもうプライベートの範疇で起こりえることには手が届かないが、互いに託せる間柄でいること。

もはや信頼するしかなく、例え何かが起こってもそれに一つ一つ向き合うしかない。

***

そういえば基本的に大丈夫と言っていたのはやるべきことを守って神経質になっていた人々のこと。

もはやお祭りしているってニュースを聞くと、それはもう無理だな、こりゃと思う。

マスクをしないで特養の利用者様に会いに来た通所の職員にもショックを受けた。

考える人と考えない人の差はどんどん開き、やるべきことが買い占めだと思い込んでいる人と、実質的に考えている人との差も開いていく。

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2019年05月22日

小さなラブレター

まだ幼いKの娘ちゃんが私の仕事中にちょいちょい家に遊びに来ているのだが。

「あれ!これ、いつの間に書いたんだろ?」と母親であるKが冷蔵庫のドアのホワイトボードを見ることがある。

いつもひそかに色んなメッセージが書いてあるが毎回笑ってしまう。IMG_1992.jpg

可愛いなあ。ふふ。

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2019年05月05日

お供え

「あのね。お婆ちゃんが死にそうだから喪服を持って来いって母親が言うの。」

そうぽつりとつぶやいたのはK。

4月末のことだった。

親御さんと色々あったので、もう少し他の親戚から詳しく訊いてみては?とアドバイスして分かったことによると、もう4月の初旬から何も食べれていなくてゼリー食が提供されているとのことだった。

Kは東京のど真ん中、新宿で育った人だが、栃木のお婆ちゃんには沢山可愛がられたのだと常日頃から言っていた。

しかし、勤務もある。

「でも、1日に休みを取って栃木に行って来るね。」

うん、ゆっくり会いに行くと良いよ。

「90過ぎてもバイクを乗り回して、ステーキ肉食ってた人にゼリー出したって『肉を出せ』って暴れるよね、そりゃ。」

そう言ってお婆ちゃんの話を泣き笑いしながら語ってくれた。

その翌日が確か30日だったか。

お婆ちゃんが他界されたのだと知らされたKはその朝、呆然としてしていた。

知らされたのが遅くて、実は私たちがそんな会話をしている頃、時刻的にはまさにその直後、お婆ちゃんは旅立っていたのだという。

どおりで夜部屋の中で人の気配がするなーと思ってた。

Kがお婆ちゃんの話をしているときも、何だか不思議な感じがしていた。

しかし、早朝、Kは迷っていた。

「どうしよう。今日は人が少ないのに。」

どう言ったら良いのか分からないけれど、多分お婆ちゃんは私たちの会話も聴いて、いつ行くのかお決めになったのだと思う。

だから明日経っても葬式や納骨に間に合うよ、1日で良いよと仰っているようだけど・・・・自分の気持ちがね・・・今すぐ会いに行きたいよね?

「うん。これから職場に行って勤務表を組み替える。」

私は首を振った。

電話一本にしなさいな。職場に行くとまた考えだしちゃうから。

仲間に調整任せなさいな。やってくれるから。それにあなたの上に課長だっているのだし。

そしてKは栃木へと旅立った。

一睡も出来なかったのはもしかしたらその頃お婆ちゃんが色々話しかけていたのかも知れないね。

しかし、ビックリしたのはその日の夜に帰って来たことだった。

なんで?!

「綺麗な顔だったよ。明後日、また納骨に行って来るね。」

職場はまる3日休めるようになっているのに。

「自分の家に帰って来たい。ここで眠りたいだよ。」

そしてまた二日後、納骨のために旅立った。まったく忙しいなあ。

しかし、Kから送られて来たご一族の写真は皆笑顔だった。

一族ってよく似るのね。

納骨の日に親戚縁者が泣いたり笑ったり、良いお婆ちゃんだったんだね。

Kは親御さんと一部酷いトラウマを持ってはいるものの、その写真を観てつくづく思った。

良い一族だわ。良いお婆ちゃんだわ。

そしてその写真の後送られて来たラインは「待っててね。あと2時間半で家に着くから。」

・・・・・。お孫さん、忙しいね。お婆ちゃん、パワフルに育んでくれてありがとう。おかげで毎日にぎやかです。

あの夜、お婆ちゃんのために焼いたステーキ肉。自分たちが食べ終わった後も一晩テーブルに置いておいたけど。

私が仕事に行ったあと、あなたのお孫さんはカピカピに乾いたそれまで綺麗に食べたそうです。(笑)

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2018年12月26日

イブの日に

クリスマスイブの日、Kがウキウキして「お菓子の家を利用者さんたち皆で食べよう♪」と言う。

それで思い出したんだけど20日頃にとある利用者様のご家族が『職員の皆さんで食べて下さい。』とお菓子の家を持って来て下さり、それからずっとその利用者様のベッドサイドに飾ってあった。

本当に食べられるとは思わなかった。

『11時頃Rが出勤して来るからさ♪』とKが言っているのはとある明るいインドネシア出身の職員のこと。

Kはそのインドネシアの子たちのことも守り抜き大切に育てている。IMG_1890.jpg

で、フロアにそのお菓子の家を持って行くべくビニールの掛物を取ると何とまあ良い香りがしてビックリした。

アップルパイのような香りがあたりに立ち込めた。

こんなに良いにおいがするんだ!

パイ生地とクッキー生地の中間くらいの硬度の壁にゼリー状の窓ガラスが沢山空いていて、その生地の香ばしさとゼリーの窓のフルーティーな香りが美味しそう。

もう4日も経過しているのにこんなに香るお菓子は観たことがない。

利用者様皆でサンタさんを取って食べたり屋根を崩して食べたり。

綿あめの雪を食べたり。

あっという間に地味になったが「三階の人にも!」とかろうじて家の形をとどめているお菓子のおうちを持って走る。

もうよくわかんなくなっちゃったけど、それはそれは素晴らしいお菓子のおうちだよと三階に行っても皆の視線がロックオン。

そしてとあるおこりんぼさんの前に置いたとき、その人の手の力では生地をちぎることも割ることも出来なかったので、案の定その人は「もう!」と怒ったが、お薬を粉砕するためのハンマーをすかさず渡した。

ハンマーなんてものをもらった彼女はきょとんとして、そのあと大爆笑した。そうよね。特養でなかなかこういうシチュエーションないよね。

やったんさい。

割らないことには食べられない。

そうして屋根を崩したところ、おうちの中からシリカゲルが二つ出て来た。おっと、危ない。この方いつぞやこれを食べちゃってオンコールが来てその夜私は眠れなかったのよね。ct.jpg

すると他にもまだ何か入ってる。何?

見ると、それはお菓子で出来た指輪だったのだ。

何て素敵な演出だろう。

何て素敵なご家族なんだろう。

その一つのお菓子のおうちで皆笑顔になってくれた。

メリークリスマス。*****


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2018年07月21日

冒険

年齢も、住んでいる距離も遠く離れた妹が今年になって時折電話をかけて来ていた。

親がついていた嘘に気が付き始めた思春期から時折コンタクトをとって来るのだけど、実は私たちは彼女の誕生後、会った回数が二桁にも満たない。

それでもよく色んなことが分かるのは母親が同じだから。

だから私のことを好きなように言う親のいうこともやがては嘘だと気が付いた。

その他にも色んな嘘に気が付いた。

そうなのよね。嘘はいつかばれる。

嘘は本人ですらだます。現実を見ない弱さが都合よく作るストーリー。

とっても空しいもの。

今年妹が言うには「あのさ。”人”ってこんなに愛してくれるものなんだって最近分かったんだよ。ビックリした。」と。

そうだよ。

だから例え親兄弟と言えども自分を愛してくれない人に縋りつく必要は何一つない。

それは相手のためにもならない。

何をしてもこいつは自分から離れないという傲慢さと、もしかしたら離れてしまうかも知れないという卑屈な恐怖がまた嘘をつくわけで。

どんどん相手も醜くなってしまうだけ。

そして自分自身も相手を愛せないのなら離してあげるべきだ。大事にしないのなら解放してあげて欲しい。

その人は他のところで幸せになるし沢山愛されるのだから。


それでも、もしも離れられないほどなのだとしたら、それはやはり理由を考えるべきなのかも知れない。

果たしてそれは愛なのか。

単なる依存という失礼なのか。

私は最近卑屈な人の表情を観た。

ただ自分を満たすためだけに人を使う人のびくびくした振る舞いと表情を。

それはとても悲しいウソつきだった。

妹は本当の世界に向けて進みだしている。

でも、時々くじける。

誰でも皆そう。

そして傷ついて一進一退しながら傷を癒して、一進一退しながらやがては自分だけの幸せを見つける。

それは普通に見かける普通の人の偉業だ。

普通って凄い。


それを知らない人々が何もしないままで自分の場合は特別なのだと思い込んでいる。
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2017年08月12日

お盆

お盆故長男の嫁の顔。

ほんの少しだけ気を遣う。

電話カウンセリングのために時々中座していたわけだが「かおるさん、どうしたの?」と訊かれたので訳を説明したらしいのだが。

戻って来るなり「病んでる人が多いからね。」と仰る親戚の方。

いや、ほんとに20年くらい前と変わらないな、この人。

病んでるからカウンセリング使うわけじゃないし、そういう意味で言うならどこかが病んでいない人など皆無なのに。

何でもない言葉なのだけど「自分は違う。自分はおかしくない。」という見下しが語調に込められているので毎年複雑な気持ちになる。特に男性には多いよな、このタイプ。

それなのに隙あらば自分のストレス解消に人を利用しようとするところがある。威張ったままで。

ほんとに悪気ないんだけどね。

その後「お母さん、筋肉ついたね。」と娘が言った折「素振りしているせいか、キャッチボールしているせいか。」という話が出たときも。

「え?そんなことしてるの?何のために?ストレス解消のため?」と言われる。

うーん、何か違うけどそういうことにしておこう。

夫に向かって「ダメじゃないか、かおるさんをもっと色々なところに連れて行ってやらないと。俺なんかしょっちゅう妻を旅行に連れて行ってやってるぞ。」と肘鉄をしている。

「いや、この人は旅行行きたがらないよ。あと・・・」と夫が説明しようとしていたがそれを遮って「ダメだ、ダメだ!女はどこかに連れて行ってやらないと!」とのことだった。

うーん、変わらないのね。

優しい人なんだろうな。

でも、旅行は若い頃にさんざん行ったし、さほど行きたくないのよね、ほんと。あと、好きだからやっていることにストレス解消とか色んな理由は要らない。

さらに言えば行きたいところがあれば自分で行くわ。連れて行って貰わなければいけないわけじゃない。

でも、その世界をわざわざ崩す必要もないのでスルーしておいた。

とりあえずお盆に働きつつのビール。

苦くて美味しい。
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2017年05月23日

かっこ悪いまま

今日は月曜日。

先週末に教わったボールの握り方をIさんに観て貰おうとしていた昼休み。

利用者様の急変がありバタバタとして昼休みがつぶれてしまった。

次に会える日は精神科の往診でこれまた昼休みなしだし。

仕方がないし、これをさぼったり手を抜くのだったらいったい何しに来てんだ?って話になる。

案の定全然Iさんと喋れる機会もなかったのだが、夕方近くに一階の介護スタッフと話していたら、横をすーーっと通り抜けていくIさん。

Iさんっ!と二回三回と呼び止める。昼休みはごめんね!残念だよ!と。

次に会えたときには「水曜日もダメなんだよね。残念だー。私は残念だ。」とエレベーターの中で言う。

「うん。でも大丈夫だよ。」と言われて終わり。

走り回っている故、もう一度会えた機会にはIさんが下の階へ降りるところで私は上に上がるところだった。

「どうぞ。」と譲られて一旦乗り込むものの「いつ頃野球観に行く?」と足でドアをストップさせると逆方向なのに三階まで付き合ってくれた。

まあ、決まらなかったけれど。

帰り際も見かけたのだけどあっという間に消えてしまったし。

いつぞやバッティングセンターに行った帰り道で「ああ、楽しかった。」と言ったら「良かった。」と言われた。

まあ、いつもそんな調子なのだが・・・楽しいって言わないのかよ。思ってないのかーと危惧。

今日言われたことで一番印象的だったのは「疲れてる?」の一言だった。

疲れてるよ。

でもIさんが言うほどだからよほどそう見えるのだろうな。

*****

内科往診が近づいているので気合い入れる。

のだけど、何だか大丈夫。最近は反省はするものの、恐れることがない。

もっと・・・という課題を見つけるのだけど焦りはない。

何かが起こったとき、反射出来る感覚を信じられる。看護とかカウンセリングとか特化してことに関しては。

急変時に対処できるのだとしたら、後は日ごろの細々したところを固めて行けたらいいなと思う。

******

そして、夕方。

孫が誕生した。

とうとうお婆ちゃんになれた。

子供みたいな稚拙さと不器用さを抱えたままにして。

私が力むことではないのでバタバタすることでもないが、やっぱり凄いことだなあと思わずにいられない。

孫ちゃん。これから大きくなる人生も楽しいでしょう。

でも、実は年をとっても楽しいんだよ。

成長する心、自分の感情と付き合う覚悟や感性さえ忘れなければ。

余談だけど、今日はやはり罰があたったのだと思われる。

何故ならこの口が思いやりのない言葉を吐いた場面がいくつもあったから。

とても悔いているものの、状況を考慮してあまり自分を責めないでいよう。

大人なので100パーセントとまでは行かないが、孫を見習って進むことや出会いを恐れないで生きて行こう。
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2017年01月05日

信念とニーズ

通っている特養ですら遠いのだけど、そこからさらに一時間ほど行ったところへ研修へ行かされた日に思う。

何だか、昨年勤務表が出た日に自分のところにだけ研修と書かれてあったので、「なんだろ?」と思ったのだが。

直属のナースのボスに質問したかったのだけど、業務に追われて会えなかったり、ボス自身も休みだったり研修だったりで、さあ、困った。← ほんとはあまり困っていない。

そんな折、喫煙所でボスのボス・・・というか、ここの全体のボスと出くわしたので一緒にたばこを吸いながら訊いてみた。

すると「研修?ああ、午後からだから、ここに普通に出勤して良いよ。一人だから本社から誰かこっちに来てくれるんじゃないかな。」とのことだった。

しかし当日蓋を開けてみれば朝から直属のナースのボスさんから内線がかかって来て「ごめんね!言うの忘れた。今日、午後から研修なの。本社に行ける?大丈夫?」とのこと。

がーん!ここでやると聴いていたから白衣でやるのかと想像していた。

私服なんてスーツどころか、デニムに馬鹿みたいなセーター。上着はミリタリーのコートでアホみたいな帽子被って来ちゃったじゃんか。まあ、帽子は脱ぎますけど。

あと、午前中に半端に手を出した通常業務が気になる。

業務の他にも丁度、これはどうするか?あれはどうするか?私はこう思うんだ!と、通称鉄の女(でも、本当はナイーブで優しい)と色々談義していたのに。

出足はビックリから始まったのだけど、着いてからもビックリ。

以前に入った入り口から入ろうとしたら研修棟は別だと初めてそこで教えられ、言われた通りしばし歩いて研修棟の入り口にたどり着いたのだが。

オートロックの暗証番号教えて貰ってないから入れないじゃん。もうあと5分で始まるのに。

すると中からあの時の人事の穏やかな面接官がやって来た「暗証番号聴いてませんでしたか。そうでしたか。○○○です。あと・・・今日集まっている人たちは午前からやっているんだけど、尾崎さんの場合は僕はいつぞやそちらのホームにお邪魔して解説したこともあるものばかりが最初の一時間です。だから、尾崎さんの場合はあと一時間半後くらいから参加していただければ良いんですよ。」

・・・・・・。ああ、そうですか。

「食堂で待機しています?それとも外に出て来ます?」

外に出て来ます。

そして、先ほど出来て来たばかりにカフェに戻るというまぬけな話。

なんでこんなになっちゃうのかね。

とは言っても無事研修の内容にたどり着いた。

ただ、私は何にも内容について教えて貰っていなかったので、看護の研修かと思い込んでいた。

企業の概要、規模、システムの話とか名刺交換とかマナーについてなどなどだった。

まあ一緒に出席している方々は皆別の事業所から来ている全然違う総務課とか介護の人達なので仕方ない。

看護だの介護だの勉強会要素はあるわきゃないな。

にしても、出だしで躓いたってのもあるけれど、本当に申し訳ないのは、世の中では俗にこういったことを学んだ方が良い、いや、むしろ学んでおくべきことなんだろうと思われるようなことが上記以外にも、必須項目に入っていた。

まずはどれくらいの人員が居るのはということを改めて聴いてビックリした。そんなにいるのかよ。3桁だろうってことでビックリだったのだけど、本当はそのもう一つ上の桁だったのか。

いつもいる場所はアットホームで、あの中だけで仕事が済んでいる故、ついつい忘れてた。

で、そんな中、その一般的に人々が重要視するけれど私はどうも「これだったら現場に戻してくれ。」言いたくなることも多々あり。

名刺交換のデモとかさ。
わざわざ前の壇上で指名された。何もこんなデニム女を前に出さなくとも。。。。

あと、すげっー眠くなったのがあれ。

職員には階級があり、兵隊みたいに段階が明示してあるところ。

つまりは昇級や出世の方法についての項目があったのだ。

すると周りは興味を持つらしい。

目が輝いていたもの。

ところが私は勘弁して下さいよと思う。

勲章のように、昇級すると違う階級名で呼ばれたり、このポイントを稼ぐと出世するとか一人だけ興味がないようだった。当然皆興味があるからせっかく講義してくれているのだけど、そうしている間にも利用者様の顔が浮かぶ。

一生懸命考えて煮詰まったヘルパーさんたちが明かしてくれる現場の悩みを思い出す。

一兵卒でも大佐でも少佐でも何でも良いよ。

でもせっかく講義してくれているのだもの。

黙って黙って聴いていた。

ちなみにゆるぎなき目的。特養をどうにかすること。そこでの看護についてとことん学ぶこと。
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2017年01月03日

古くて新しいおろしたての一年

今年はお正月に家に居られないものとあきらめていたくらいだったのだけど、元旦と翌日がお休みでラッキー。

もうずいぶん長いこと親戚縁者の方々とお正月を過ごせたのだけど、今年もそうすることが出来た。

2年も経たないうちに三回も癌の手術をして乗り越えて来たお爺ちゃんは何十年もの間、年末のある日、年に一回だけ台所に立ちローストビーフを焼くのだけど、そのお肉はわざわざ昔からある吉祥寺のお肉屋さんから買って来る。IMG_1291.JPG


今回こそはそれは無理だろうと思ったのに、きちんとやり遂げていた。

しかも、元旦の午前中にハアハア言いながらお婆ちゃんと二人、氏神様にお参りして来ることもやり遂げた。

主人の取引先からおせちを三種類ほど買わなければならないのとお爺ちゃんのローストビーフもある。しかも娘や息子、孫たちも集うということで、同じくお爺ちゃんが食べきれないほどの毛蟹やらマグロやらを毎年取り寄せる。

長い人生の勤めの中で東北や北海道で過ごした方なのであちらに友人やつてがいくらでも存在するらしい。

そんなわけで私の担当と言えば台所で一日中洗い物をしたり飲めと言われれば飲むし、おせちに飽きた人々にから揚げやパスタやサラダを作ってあげること。

要らないだろうと思ってちょいとぼけっとしていると「あれ?今年はかおるさんのから揚げはないの?」とお義弟さんが言うので近年はこちらも楽しみになって来た。

「もう、台所ばかり居ないで一緒に飲もうよ。もういいじゃん。」と言ってくれるのは嬉しいのだけど、そうするとお婆ちゃんが洗ってしんどくなっちゃうので、飲んでもすぐに台所という守備位置につくことの繰り返し。ここが一番楽しいんだもん。

時折、娘が台所に現れて黙って洗い出すので「いいよ。あっちで食べてなよ。」と言うと「いいから!」とピシッと怒られるようにして手伝われる場面あり。

それが嬉しいので何か喜ばせようと思っていたところ、毛蟹の殻が出たのでそれを器にして即興で甲羅グラタンを作って焼く。蟹の殻はいつもとっておいて味噌汁の出汁にするのだけど、何杯もあるので一つ二つくらい無くても大丈夫だろう。

お爺ちゃんも日ごろの感謝を込めてありがとうだのへちまだのと言わないで黙ってローストビーフを焼くタイプなのだけど、私も少し似ている。

洗い物を手伝ってくれてしばらくした頃出来た蟹グラタンを娘の前に置くと「何、これ?こんがり!」と喜んで貰えるのが嬉しい。

お爺ちゃんも皆が「おじいのローストビーフ、うまい!」って言ってくれるのをソファーで横になったまま唇の端だけかすかにあげて喜んでいる。

その他、お義弟さんのお嫁さんがふと台所に現れて「お義姉さん、ここでたばこ吸っても良いですか?」と言うので一緒に吸ったり。

色々あって愛しい人を亡くしたお義弟さんだったけれど、近年、やっとこんな可愛いお嫁さんがやって来てくれて、しかも、一生懸命皆の中に入って来ようとする危篤な人で、段々打ち解けて色んな話が出来るようになって来た。

お義姉さんちのお子さんたちも今や仕事を一生懸命頑張っている。

まだ長女くんのお腹の中だけど、今年は孫ちゃんも参加してくれた。

少しづつ皆、変わって行くし、この先は、少しづつ集まれない人も出て来るのだとは思う。

だからこそこうして集えることって大切なのだなあと思い始めたのはまだここ10年くらいの間のこと。やっと分かったんだよね。こんな大切な意味があるということを。

*******

楽しかったのだけど、年末ぎりぎりまで働いた後の元旦はなかなかハードな過ごし方でもあったので、二日目は寝正月をしようと思っていたのだけど夫が初詣に行こうとしきりに言う。

正月は神様も忙しいと思うよ。

心底そう思って言ったのだけど「神様だから大丈夫。」とわけのわからないことを言って来る。

まあ、あちらにとってはこちらの言い分がわけわからないのだろうけど。(いやあ、神様だって大勢にいっぺんに色んなこと言われたらうるさいって思うんじゃないかなあ。。。くどいけど。)

しかし、お世話になった猫神社様へ行くと、お正月のにぎやかさと適度な混雑具合だったのだけど、決して無茶苦茶な混雑ではなかった。

おかげさまで20分くらいでお参りが終わって心が洗われた。本堂の横にある猫さん堂にも忘れずにお礼を言いに行った。

そしてお爺ちゃんとお婆ちゃんと夫に健康のお守りを買った。

それからブラブラと買い物へ行って、帰って来たら夕方だったけれどしばし眠る。

静かに迎えたお正月。

そして明日からはまた忙しくなることだろう。

月と金星が物凄く近づいて輝いている綺麗な夜空に向けてもお礼を言った。そして今年もよろしくと。
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2016年10月11日

おめでとう ありがとう

お爺ちゃんの誕生会だった。

今まで見たことのない強いハートの闘病生活を乗り越えて来られての今日なので、嬉しくて仕方がない。

まだまだ強くて頑固で色んなお店、色んな人間を観て来たお爺ちゃんが珍しく気に入ってくれた近所のお寿司屋さんで。

初めて連れて来たときは「今年の誕生日までもつかどうかわからないから早く行った方が良い。今行った方が良い。」と次女くんが真剣に言っていたほどなのだけど、嬉しいことに数年過ぎて今年もこの日をお祝いすることが出来た。

初めてこの店に来たときと同様、ホワイトボードに書かれた今日のお薦めメニューの方向へ首を伸ばして食い入るように見ていた。

敦賀出身のお爺ちゃんは魚好きでマニアック。私たちの知らない名前のお魚をよく知っていて「ほう、これがあるのか。」と呟く。

そしてマスターがまた頼もしくて「大抵のものはありますよ。」と言ってしまう。

ほとんど物を言わず、ただただ野球を観たり、無言で魚に食い入っている強面のお爺ちゃんを初めて対面したときから、何だか私たちだけで行った際にも嬉しそうにうちのお爺ちゃんの話をしてくれる。

「時々同じようなタイプのおやじさんがいらっしゃるんだけど、ほんとに魚が好きだね。無心で食べて下さる。」等、あれ以降単独でお爺ちゃんが来たときの話なども。

お爺ちゃんとお婆ちゃんにはお仕事現役中の頃からの規則正しい生活のペースがあって、いつも夕飯は早い時間でささーーっと15分くらいで終わってしまうし、外に食べに行った際もどんなに長くてもせいぜい1時間いたら良いほうで。

ところがこのお店に2時間も居た。

日本酒を美味しそうに飲むお爺ちゃんを観て驚愕ですわ。あんな大病と共に暮らしつつも「強いなあ。」と思う。私の方がもう全然飲めなくなってるからね。

二時間後タクシーを呼んでお爺ちゃんとお婆ちゃんが帰っていく。

それはお爺ちゃんが「ちゃんと食えたか?そうか、じゃあ、帰るか。」とお婆ちゃんに声をかける一言でバタバタと私たちが動き出すタイミング。

一緒に帰ろうとしたのに「あんたぁ、トシに付き合ってやって。」というお婆ちゃん。いえ、あの、私も帰りたいのですが&もう充分なのですが・・・と思うのだけどわが子の性格を知っている感じを受けて夫婦で残る。

マスターが「俺のおやじは早世したけどね、亡くなる寸前まで毎日飲んで、たばこは一日二本くらいってのを続けていて、幸せそうだった。」と語ってくれた。マスターのおうちは何気に早世の家系だと教えてくれたのだけど、いつもとても楽しそうだ。

マスターだって口数が多い方じゃないのにお爺ちゃんが来ると「煮魚いっておきますか?」等結構話しかけてくれるし、そのタイミングが過剰接客でもなく的を得た接客で愛情すら感じるせいか、そこもお爺ちゃんがこの店を気に入っている理由の一つなのかなと思う。

静かに時が流れて行く。

「80過ぎてまで誕生会なんてもうええよ。」というお婆ちゃん。「もう来年からやめてや。恥ずかしいわ・」と仰ったけれど。

いえ、やっぱりうれしいじゃないですか。なかなか気持ちを表すチャンスが無いので何かできて凄く嬉しいです。と言ったら、確かに伝わった手ごたえ。無口だけど、分かるこの空気。

長生きしていただける幸せや美味しいものを美味しいと楽しんでくれる幸せ。

とても大切な瞬間だった。

今日という日は二度と来ないから。

大事に過ごすということを続けながら、傍らにいて下さった人の未来を祈る。
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2016年08月21日

いつか来るとは思っていたが

特別養護老人ホームでのお仕事。先月から数えるともう10回くらいは出勤した。

特養自体が初めての分野なのでチキンの私はビビっていた上に、2か月程度で派遣先を変えて早四か所目。もっとチキンになった現状というのは、特養という施設の仕事のやり方というものに全く法則がないことだった。

こんなに業務内容にばらつきがある世界ってある?と驚くのだけど、そこに長年勤めているナースさんにとってはそれがあたりまえなのだ。

が、しばらくすると今の場所でも色んなことが見えて来た。教えてくれることにはしっかり耳を傾けて改めて行かねばならないが、ああ、何でも鵜呑みにしてはいけないのだなということ。

動ける高齢者の方々もいらっしゃるが経管栄養などをやっていて寝たきりの方が二人も三人も痰をガラガラ言わせてつまりそうになっているときはすぐに吸引してあげないと恐ろしい呼吸苦と恐怖感を与えてしまうし、お風呂あがりについでに褥瘡やら温存療法の癌のケアをする人がいれば、早く服を着せてあげたくて待っている本人や介護者さんのために一目散に飛んで行かなければならない。

そりゃ病院の外科もスピードや判断力が求められていたものの、老人ホームにだってそれなりにあるのよね。

しかしそこにピッチは鳴って「ショートを取りに行ける?」と言われる。まあ病院でいう入院みたいなものだ。

なので「はい。今風呂で処置しているんですけど、すぐ行きますね。」と言うと「え?すぐ行けない?」と言われる。いや、すぐ行くけど、目の前の人も風邪ひかせちゃならんでしょう。処置して服着せてからね。。。。

で、多分その先輩が逆の立場だったらこの処置を題材に介護の人にあれこれお叱りを浴びせたり解説したりしつつやるから、きっと時間がかかる作業だと認識なさっているのだと思う。

段々事情が分かって来たのでごちゃごちゃ付け加えず「はい、すぐ行きます。」とだけ答える。

「あのね、ここのお掃除がね。。。」とか「あのね、注射器の水切りってのはこうやるの!」と仰ってくださっているのもゆっくり聴きたいのだけど、すみません。先に痰を吸引して来ますの世界。

これ、どこの世界でもデジャブだなあ・・・。かつて居たところはお一方もこのタイプのナースさんがいなかったので凄く楽だったのだけど。

とは言え、まだまだ常勤さんが出来ることを網羅出来ていないので精進しよう。謙虚な気持ちで教わろう。

そう思いつつ就寝すべくベッドに入ったのが午前1時半だった。よし、この時間ならば朝の6時に余裕で起きられることだろう。と、またしても久々に施設に行く前にワクワクしていたのだった。

*********

ところが午前四時頃、なんだか廊下が騒がしい。私、6時まで寝たいんだけど、いったい何の騒ぎかなあ?と思っていたら、お婆ちゃんと次女くんが部屋の前で騒いでいる。

「ちょっと!トシ!トシ!助けて!」と息子の名前を呼ぶお婆ちゃんに対して、次女くんが「バカ!こういうときにお父さん呼んでどうする。お母さんだろ?!」と叫んでいる。

「いや、かおるさんには持ち上がりませんで。」と婆ちゃんの声。

応えて「持ちあげりゃ良いってもんじゃないでしょうが!そこだけ考えんなよ。その後、どうすんだよ!主題は具合が悪いってことなんだからさ!」という次女くんの声。

いったいなんじゃいなと目をこすりながら出て行ったところ、何やらいっぱい言っていたが、雰囲気的には爺ちゃんに何かあったのだろ思ったのですぐに動いた。階下を下りながら話を聴いたところによると、おじいちゃんが2時にトイレに行くときずいぶんふらついていたなと思っていたが、無事に帰って来たと。

しかし、今トイレへ行ったところ、ベッドから降りたのは良いが座り込んで立ち上がれなくなったのだという。

四人で降りて行くと息切れしたお爺ちゃんがハアハア言って、これまたふすまとベッドの間にしゃがみこんでいた。

夫が爺ちゃんの手を引っ張ろうとするので、ストップをかけたのは、皮膚が極端にもろくなっているので強く握ると紫斑が出来たり、下手すると皮がずるむけるから。

私はベッドの上を渡ってお爺ちゃんの後ろに周り「お義父さん、前かがみになるようにして下さい。そしたらお尻が少しありがりますから。」とお願いした。

すかさずそこに手を入れた後夫に「今、今、手をつかまないで。そっとね。脇の下あたりに両腕入れてくれると助かる。優しくグリップしてね。」と、自分はお尻を持ち上げつつ起こして貰った。

しかし、ふっらふら。めまいですか?なんなんですか。

とにかく、腰のところへ手を添えて排尿成功。「お義父さん!こんなときまでトイレのスリッパはかなくて良いんです。神様も許してくれますから!」と叫んでしまったのはスリッパを履くことすら転倒の原因になりかねなかったから。

悪寒戦慄がするというので熱を測ったら7度代だった。これからもっとあがることが予想される。

手術をしてから片肺になったのでベッドに戻るよりソファーでファーラー位になっていて貰った。血圧は動揺したせいもあるのだけど、190を超えていた。

「足がだるいんやろ、じゃ、足を高くするか。」

あかんです。余計に血圧あがるから今はダメ。

「あ。そなの。」

そうこうしているうちにまた尿意が催して来て、結局三回も四回目もトイレに行った。

いくら晩年になって痩せていらっしゃるとは言え、あいかわらず巨漢のうちに入るのでこんなん力でやっていると家族全員の腰が偉いことになる。

なので、「前かがみになって1、2、3のリズムで立てますよ。さんはいっ!」の掛け声でほとんど立ち上がれるという方法をとる。まあ、歩いているときは手を離せないんだけど。

この症状って、ただの感冒なら良いのだけど、この頻尿さ加減と尿量をみると、絶対膀胱炎とか腎炎とか、何らかの尿路感染が疑われる。

そのうちに、ソファーに戻って来る度に胃液様のものを嘔吐するようになった。これは血圧が高いからだろう。

まあ、とにかく夜があけたら病院へいかなくてはならない。

朝までトイレ介助をしたときに思ったのだが、お婆ちゃんには無理である。

あと先生の話も聴きたいというのもあって、とうとう施設に欠勤の電話をかけた。

先方にご迷惑をかけるのは重々承知なのだけど、あきまへん。もう誰にどう思われても良い。

そして、一緒に受診について行って。検査や診断を聴いたら、やはり尿路感染だった。

というわけで仕事に穴をあけてしまったが、まじどう思われても良い。

原因が分かったし内服も出たし。熱も下がるだろう。ただ、尿道のカテーテル入れてくれている泌尿器の先生にもこのこと言わなくちゃなあ。

しかし、ビックリするやら安心するやらということもあった。受診中に測定したところ、SATが片肺なのに100パーセント取れる人って初めて見た。やっぱり強靭だ、爺ちゃん。

***********

ただ、ちょいと考えることがある。

自宅サロンという言葉が浮かんでしまうのだ。皆、お爺ちゃんへの思いがあるのだけど、いかんせん、微妙に対処法が分からないので、こんなときくらいにしか役に立たない私が居た方がどれだけ良いだろうか、

夕方までには自分でスタスたあるけるようにはなったものの、そろそろ色んなことを考えなければならない時期に近づいているのかも知れない。

でも、まあ、もうししばし様子を見てみよう。
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2016年08月06日

三次元の現実+α

昨日、キャンセルが発生したことをここに書いたせいか、若干時間帯はずれたものの、遅い時間に一件ご希望の方がいらして下さった。

で、その前のセッションでのこと。

「電車の関係で10分くらい遅れます。」というご連絡が他の方からあり。

いいんですよ、いいんですよ。

もう、ほとんどが遠方からお越しくださっている方々。いや、近くたって日常生活を送っている故大変だとは思うのだけど。

で、その10分弱の時間、床に寝転がった。

ナースのときとは別の部分が疲れるのがこちらの仕事。でも、好きでやっている。それで、時々こうして時々床にどうっ!と寝転ぶのだが、視線の先に「あれ?」と思うものを発見。

実際にはワインテーブルとして使うようの小さなテーブルが置いてあるのだが、主にパワーストーンを置いたり写真を撮ったりするのに使っているものの足元が見える。

で、そのワインテーブルと先日洗ったばかりのカーテンの間に小さな小さなクモの巣が張ってある。

未だに目が良すぎるので、1〜2ミリの小さなクモがせっせとおうちをこさえている様が結構離れていても見えるのである。

困ったなーと思うのは、クモ自体にではない。私、GB以外の虫とかはほとんど平気なのだ。

それよりなにより、おそらくはたった一晩で、あんな小さな体で一生懸命こさえた思われる巣を「うう、掃除のときに壊さななきゃならないのか。」ということに憂鬱になる。せっかく頑張って編んだのにねえ。

で、その後結局お客様がいらして、今日でなくとも良いかと放置した。

明日、掃除して崩してしまったあと、やつに元気が残っていて、もうちょっと人目につかないところに作る体力が残っていれば良いけど・・・。

*******

やんちゃな幼子が分からないことばかりを言い親を困らせる。無邪気に怒ったり八つ当たりしたり自由奔放に。

その幼子がいつの間にか心も体も成長して親にてみやげを買って来る。

時をさかのぼると学生服の集団の中にいたり、ベッドから出てこなかったり。

でも、月日とともに、しっかりとしたことを言うようになる。

その辺のご立派な大人ですら分からない親の事情や心情を自分なりに理解し会いに来る。

そんなあたりまえだけれどあたりまえではない普通の奇跡のエピソードを聴いたとき、喉がぐっと詰まって変わりに涙が止められなくなる。何か喋ろうとするともっと崩れてしまいそうだったので、落ち着くまで小さな深呼吸をする。

親御さんに自分があるから立派に育つ。喜怒哀楽を出せる子供になる。いや、もう大部分大人か。

胸がきゅーーっとなって喉が詰まって、一人の女性が乗り越えて来たことへの祝福とか、敬意とか。

様々な喜びと感謝に心動かされ、心の中で何度もハッピーバースデーと贈る。つぶやく。言えば軽くなるから心の中で何度もこの奇跡に。

あなたに。あなたのお子さんに。そしてあなたの周りの関係する人々すべてに。
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2016年08月02日

衝撃の想像図

毎日疲れた疲れた行ってても仕方ないので、今日は蟹玉のあんかけ風とかシュウマイとか野菜をいい「婆さんが言ってたけど、最近、四足で階段登っているのを観たってよ。何してんの?」

・・・・・・・・・・・。何ってこともないが、仕事から帰って来て疲労困憊していたからでしょう。自ずと両手も使ってあがりたくなるわい。こういうのは人生で初めてだけど。

「でも、凄いじゃないか。エクスシストのディレクターカット版みたいなやつでしょ?ブリッジで階段昇り降り出来るなら何でも出来るじゃん。」

誰一人としてブリッジだなんて言ってない。

それにそんな元気あったら、もっと良い仕事してるわ。

なんか、この人も常識人を装ってそれが世間に通っているみたいだけど、かなり変わった人なんだなあ、と思う。

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2016年07月17日

誕生は感謝

Kさんというナースさんが突然仕事中に亡くなったというお話を聴いたのは、私が入居者さんを受診させるべくホームの車に同乗している最中のことだった。

ドライバーさんにとっては、もうひと騒動終わった下手するとひと昔の出来事だったのだろうけど、たまにしか来ない私には、そのひと昔と今日が繋がっているわけだ。この間が三日目ならその日が四日目。

四日目の私には例え何日空いていようと、三日目は昨日のことに相当する。

いくら、よく無表情で不愛想に思われる私でも驚愕と悲しみの色が浮かんで絶句しているのが分かったのだろう。ドライバーさんが「ごめん。俺、余計なこと言っちゃったみたいだね。」と仰る。

いえいえ、知っていると思われたんですもんね。それに、知っておいて良かったです。

病院に入居さんをお連れして検査に付き合い入院手続きをした後、再びドライバーさんが迎えに来てくれた時には雨がざんざん降りだった。何も言葉が出なかった。

医務課に戻って来て、先日”なんだ、そのもの言いは!”と内心切れて、態度に出してしまったナースさんが、私の留守中たった一人で切り盛りしている状況だったのだが、必要事項を報告したあとで、Kさんのことを話した。

そうだったんですね・・・と。初日のたった一日しか接することが出来なかったけれど、とても教えていただいたし残念です・・・と自然に口をついて出た。

「そうなのよ・・・。その日は私と二人だったのよ。私が一緒に救急車に乗って行ったの・・・。二人でよく生と死の話とか終活の話題をすることもあったの。彼女、持病もいっぱい持っていたのよね。でも、やっぱり大変だった。受け入れられない。」

ちょっと顔を出し始めたばかりの私だからみんな内緒にしていたのだと思ったのだけど、60過ぎのその先輩は言った。「言えなくてごめんね。まだ私たちも心の整理がつかないの。」と。

そりゃそうだ!と初めて気が付いた。あの日、元々さばさばした人だけど、私に凄い物言いになっちゃっていたのはそういう事情もあったんだろうと。見た目に分かるほど切れちゃって悪いことしちゃったな。

他の人も「言えなくて・・・でも、話せるとだいぶん違うね。」と仰った。

それからその日は倉庫に吸引機を取りに行くとき、その倉庫のカギを取るときも、Kさんの声を思い出していた。
”あのね、ここに吸引機があるの。カギはね・・・。見て。この大きなキーホルダー。これ使ってあけるとここにあるからね・・・”

とか、「この人はね、食道瘻の人でね・・・痰を取るときはね。。。」

とか、「あ、トイレはもちろんそこが近いんだけど、ゆっくりしたいときはお風呂場の横にも職員用のトイレがあるよ。」とか。

施設中、どこへ行ってもKさんの言葉が頭の中でリフレインする。

あの日Kさんと一緒に居る時に廊下の向こうから歩いて来たお婆ちゃんを見たKさんが「あの人はなんていう人かしら?ここの場合はね、派遣の私たちって処置がある人くらいしか接することができないの。可愛いお婆ちゃんねえ。ああいう人好き。」と言っていた。

丁度あの時のお婆ちゃんが歩いて来たのでKさんがしたのと同じようにかがんで手を握るとニコニコ笑っていた。あのね。。。。あなたを凄く愛した人がこの施設にもいたんだよって心の中で思いながら。

それから毎日心の中でKさんにお礼ばかり言っている。

人間は一生のうちに沢山の仕事をする。Kさんは私にも沢山の仕事をして下さった。大きなギフトを下さるという仕事を。

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本当は二日後が次女くんのお誕生日なのだが、その日は友達とパーティーをするのだろう。二日早い今日、一緒にご飯食べてくれと言われ、自宅でゆっくり晩御飯を食べようということになった。

しかし、次女くんが夫にリクエストしたのはケンタッキー。

そんだけかい。

同じことを思った夫は市場に行って、私にウニやら、爺ちゃん婆ちゃんに鮮魚やらを買って来たらしい。多分何か物足りなかったんだろうね。

あとは、ご近所の自宅カフェでガトーショコラを焼いているおうちにケーキを注文。image.jpeg

まあまあにぎやかな食卓になったのだが、今日こそあれを作ろうと思った。

その料理を出すと次女くんが「わああ!懐かしい!おいしい!」とパクパク食べだした。

エビにアーモンドのころもをつけて揚げただけのものなんだけどね。

幼いころ、エビが嫌いで食べれないって言っていて、別にエビなんて食わんでも生きていけるけど、こんなのどうだ?と一度作ったら、「おいしい!」と言って食べた。

「あのとき、私はお母さんのおかげでエビを克服したんだよ。」と大きくなるまでに何度か言って、なんと、成人してからまで言うので心苦しかった。

なんでかと言うと、あれ、普通のエビフライと違って、エビにスライスアーモンドのころもを絡ませるのが少々面倒ってのもあって、実はたったの一回しか作ったことがなかったから。

たった一回のことをそんなに何度も感謝されるのがしんどいやら申し訳ないやら。

天然のブラックタイガー5尾を全部ひとりで平らげてくれて「いやあ、もう懐かしくて本当においしかった!ありがとう。」と言ってくれた。こちらこそだよ。まったくもって面目ない。こんなことで感謝されるくらいなんだから、いかに今まで何もしてあげて来なかったか?というのが浮き彫りになるわ。

そうするとケンタッキーやら他のものが余るんじゃないか?ガトーショコラなんて相当濃密だし、こりゃ余らせるなーと思っていたのだが、ふと見るとテーブルは綺麗にあらゆるものが平らげられている。刺身もケンタッキーもサラダも・・・etc・・・。多分、皆楽しくて食欲が増したのか。

長女君は来れなかったので爺ちゃん婆ちゃん、夫と私と次女君の5人だけのパーティー。お爺ちゃんまでガトーショコラを食べていて可愛かった。

少しづつお酒も飲んでコーヒー飲んで長々と喋って、皆が今日も元気であること、顔を見れたことにひと際感謝した夜だった。
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2016年06月02日

いつまでも思い出作りをしていたい

前々からそういう傾向があったのだけど、近頃特に近日の予約を受け付けにくくなって来た。

それどころか、ご希望日時を複数いただかないと、下手すると翌月の予約もたまたま空いてなかったりする。

これは一大事という事、もう一つ、他にも理由があって、今月は訪問入浴への出勤を全日あきらめた。つまりは1日たりとも入れないことに。

もう大分慣れたし、スタッフも仲良くて楽しいし、本当は行きたいんだけどな。

でもそうすると、カウンセリングの勤続量が減ったりして本末転倒。


もう一つの理由としては、爺ちゃんである。

尿道に管が入ったり、台所に水を飲みに来るだけで、ハアハアと息が乱れるようになってきたし。

もし何かあった時、私が何処にいるのか分からないのも困るし三人一組でしかチーム編成出来ない仕事はかなりまずい。


爺ちゃんには長生きして欲しいから決してそのもしもの事態なんて考えたくもないのだけど。

2年ほど前、あれは二回目のオペの前後だったと思うのだが、旅好きのおじいちゃんのために次女くんが幹事を務めた箱根旅行。

そうかあ、あれからもう2年ほどの経つのか。

さいきんはというと、3回目のオペが終った爺ちゃんをみていると、もはや相当辛そうなので、あの時、まだ比較的に元気なときに行けて良かったと思っていた。

ところが、今年の春が終わる頃、今度は爺ちゃん本人から言い出した。

「最後に親戚も含めて皆で、函館に行きたい。」

よっぽど皆で行った箱根が楽しかったのだろう。

それに元気な頃は本当に旅行好きで、特に北海道はしょっちゅう行っていた。

さらに言えば、自ら「最後に。」と言っているところがせつない。

「お母さん、旅行嫌いで家好きだけど。。大丈夫?」と娘に訊かれるほど、確かに私は、やることやらんで遠くへ行くんはキライ。そしてどちらかと言うと引き篭もり。

ほんとに外からの働きかけがなかったら、誰も声をかけてくれなかったら、どんだけ家に居ても苦にならない。

しかし、そんなこと言っとる場合か、この場合。

でも、ほんとうは10年くらい後になっても、「爺ちゃん、また旅行行きたいんか。」と突っ込みを入れている未来が一番の願いなんだけど。


と、まあ、しょげていても仕方ないので、今日も明日もメソメソせずに、自分の仕事をして、くよくよすんのは止めよう。

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2016年05月15日

傘寿(さんじゅ)&五黄の寅(ごうのとら)

長女くんとお婆ちゃんの誕生日が同じ日。

しかし、当日は皆が集まれないので翌日我が家で誕生会をすることになったとのこと。

そうそう、お婆ちゃんもお爺ちゃんもあんまり外を連れ出すとお疲れになってしまうので、ごく稀にしか外食しなくなった。

で、さすがにもう歯がそんなに良くないということや、お爺ちゃんが牛肉好きというのも手伝って、夫が年に一回だけ上等な牛肉を買って来て、この日ばかりはしゃぶしゃぶをする。←夫は鶏が好きで牛があんまり好きでないというのもあるが。

それは良いのだけど、私・・・・皆が集う時間には到底間に合わないのよ。仕事が終わらないんですもの。

しかも、お祝いのプレゼントも買わないうちにあっという間に今日が来てしまった。

同じ誕生日のお婆ちゃんと長女くんは丁度50歳違い。

80歳のお婆ちゃんは傘寿という年を迎えたわけだ。

仕事の後、もはや眩暈していて足はパンパンに浮腫んでいるわけだが、もうひと頑張りしてお婆ちゃんと長女くんにお揃いの日傘を買った。一つはオフホワイトで一つはネイビーブルー。両方とも金の刺繍がしてあった。

それを見つけたときには、ううう、しんどかったけど思い切って駅ビルに良かったと思った。←駅ビルに寄るだけが思い切りなのかい。我ながら書いていてビックリだ。だって、まじでへとへとなんだもん。

(ちなみにヒーリングショップでホワイトセージも買いたいのにまだ買えていない。)

家に帰ると案の定、皆の宴は終わっていたが、長女くんとお婆ちゃん、凄く喜んでくれた。お婆ちゃんのあんな笑顔、久しぶりに観たわ。

あと、お婆ちゃんの方には橋真梨子さんのCDも添えた。

というのも、夫に聴いた話だが、お婆ちゃんはなるばく毎朝ラジオ体操をしているのだけど、最近寝過ごしてしまうことが多くて困っているとのことだった。

それで何と夫がラジオ体操のCDと、CDプレイヤーをプレゼントすると言っていた。CDプレイヤーがあるということは、ミュージックも聴けるということで、しかもお婆ちゃんは橋真梨子さんの大ファンだということも知った。

そんなわけで、また本心からの笑顔が見れた。

何十年も何十年も子供三人を育てあげ、夫である爺ちゃんをささえ、しかも孫たちまでもを深く深く慈しんで来たお婆ちゃん。

音楽でも聴いて癒されて貰えると良いなあ。

先日の母の日にお花が届いたので差し上げたところ、その夜に『お礼に。』とワインを買って来たのでずっこけたばかり。それじゃ意味がありませんて。

そして案の定、今回も日傘とCDを手にして『こんなん貰ろうて、今度は何をお返しして良いやら。』なんて言っているので「・・・・・・・・・・。違うでしょ、それ。」と分かって貰った今日この頃。IMG_0931.JPG

結婚後、社員からパートになったという長女くんが夜遅くまで次女くんと話している。

何だか時間が昔に戻ったような素敵な夜だった。

なんて、のんきなこと言ってると、明日もゾンビになるのではよ風呂入って寝なくちゃなあ、今日こそは。
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2016年05月09日

今そこにある奇跡

先日、お婆ちゃんが居る我が家にお花が無事に届いた。

毎年夫の会社関係が仲介して押し付けられるちらしからの申し込みなのだが。

普通に花屋で買ったら相当高くなってしまいそうな商品がそこそこの値段で送れるというシステムがある。

で、お婆ちゃんに届くのは分かるが、その前日、母に送った花が既に届いたという連絡を受けてビックリしてもうた。

届くんかい。

申し込んだのは4月だけど、場所が場所だけに『もしかしたら熊本の方は、母の日には間に合わないかも知れませんよ。』と業者の人に言われるのを『そうでしょうね。大丈夫ですよ。』と答えていたくらいなのに。

誰だってあんな大地震が来たらそう思うわ。

それが普通についてしまうって凄い。

もちろん業者の努力に違いないのだけど、聴くところによると周辺の郵便物は結構遅れたり止まったりしているのだとか。

『どうしてだろうね。』と言われてもわからんわ。

で、普通に『届いたよ、ありがとう。』と何事も無かったかのように言っている母にビックリ。

あの日ですら、何故だか大丈夫だろうと思っていたのだけど、その後も何度も地震が来ているというのに・・。
良かったと胸をなで下ろすことなのに、『やっぱりね。』と思ってしまうし、何故だかうちの娘たちですら「お母さんのお母さん?きっと大丈夫なんだろうね。」と妙に納得している。

でも、何と言うか・・・そういう人。

************

それはそうと、娘たちからそれぞれ母の日のお花を貰った。

長女くんは来る自分の誕生日に実家に帰って来るそうなのだが、郵送で鉢植えの見事なカーネーションが届き、次女くんは、選んで来てくれた可愛い花束。

毎年のことだし、自分が毎年『あ、母の日だ。贈らないと。』となんて言いつつ送っているところがあるので、もしかしたら娘たちも『送らなきゃな。』という感じでプレゼントしてくれてるんじゃないか?と思うのだが、やはり嬉しいものは嬉しい。

それに、結構嬉しそうにくれたりするもので、私の多少汚れた心とは大違いなことには間違いない。

そうして今年も彩どりのかネーションが家中の到るところに咲いている。

誰もが無事で、普通に平和に花があることの喜びを感じる。
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2016年05月04日

それぞれの領分

早い時間に仕事をあがれて帰宅出来た日。

そのままにしておくと一日も休日が取れない状況になりそうなのが今月だったのだけど、こうして早くに帰宅出来るだけでもホ〜っと一息つける。

しかし世間はGW中なので自動的に暇している夫と遭遇。

この人の元気の良さは私にとって度々脅威となる。何せ、こちとら生まれつき+環境要因でパワーがない性質。

そこをレイキと出会ったことで何とかエネルギーを回すコツを知り、これまた何とか普通に生きているレベル。(いや、それでも一般の人からするとグータラに見えるレベルなのだろうから、決して普通とは言えないかも知れないが。)

しかし自分で自分のキャパを自覚していることと、長年付き合って来た人間が言い出しそうなことが分かるので回避できることも多々あり。

自室のドアを開けた私を見るや否や『あれっ?お帰り!!!!どっか行こうか?!』って、巨大な人間が犬でもないのにブンブン尻尾を振っているかのように見える。

来た。出会い頭のたった1〜2秒で。

何か所かのお出かけ先の提案をことごとく「いやいや。」断りつつバッグを置く。

で、「いや。だから。明日があるので遠出はしないで夕飯の買い物でもして来るわ。」と答えたのだが。

『買い物!?夕飯?!じゃ、イトーヨーカドに行こうか!車の中で待ってるね!すぐ降りて来てね!』とドドドド!と部屋を出て行ってしまった。

・・・・・・・・・・。自転車の鍵をチャリンと置いて項垂れるなんておそらく普通に元気な方々には分からないかも知れない。たかだか少々広めのところへ行くくらいで。

しかし近所のいつも行くコープでええやん!せいぜいそこまでのキャパしか残っとらんわ!と思うのだった。

慣れたスーパーだとどこに何があるってのが分かって無駄に探し物しなくて済むという理由だけ。あまりにも狭苦しいのも嫌いだけど、広すぎて人が多すぎるってのもダメなんだよ。残念ながらそれが私。

疲れているからとか忙しいからだという案も自他共に浮上していたのが若い頃からの疑念だったが、いかんせん、働かないでいた時期も暇な時期もほとんど同じような心理だった。要するに働いていても働いていなくても同じ。忙しいときも暇なときも同様に疲れたし同じくらいのストレスを感じてた。

要するに同じなんですわ。状況や環境ではなくて性質なんだわ。

しばしば「色んな仕事していてパワフルですね。」と誤解されることもあるけれど、いやいや、ざっくり見ると50年近くの生涯で心理と看護とか自分の好きなことしかしてませんわ。あとはほんとにいい加減ですわ。稼働距離もごく狭い。好きなものしか食べない、好きなことしかしない、好きな人としか会わない。それでいっぱいいっぱい。(別名わがままとも言う。)

それ以外の好きなものは動物、読書、はい、これでもう結構いっぱいいっぱい、もう入りません。フリーズします。良い大人がこんなことで良いのかと思うこともあるのだけど、そこを越えるとフリーズどころか強制シャットダウンして再起動するのに相当な時間がかかるわけで。

で、かなりその状況に近づいている時に車でブウウウーーン!とちょっと大きめのスーパーに連れて行かれるともうあかん。

反して夫は稼働距離が普段から広くて都道府県を跨いで移動する生活が常。多分自分の中での人付き合いも登場人物もかなり多目であることだろう。

私にとってはドワーーっと見える多すぎる商品、大きすぎるスペース、多すぎる人々の中で、いちいち立ち止まり「ホットプレート出して焼肉しようか?貝の刺身、あるかな?あ!これからタケノコ、煮てくれる?この農家の人が作るタケノコ、凄く美味そうだって前から思ってたんだよね。パンは?あ、チョリソーも焼こうか。あと、最後に焼きそばするよね?あ、パンは?パン買う?」と中々先へ進まない。いや、距離はかなり進んでいるのだが、いったい何を献立にして欲しいのか、何を買おうとしているのか、方針が定まるまでの心の向きが一向に進んでいないのが手に取るように分かる。

なので、そこを整理して行く・・・というか、削ぎ落として行くのが私の作業と相成ってしまう。

刺身か焼肉かどっちかにして。タケノコは皮つきのやつから調理するとこれくらいの時間がかかりますがよろしいか?焼き蕎麦で締めるならパンは要らないよね?あー、玉ねぎもピーマンももやしも・・・今カゴに入れたやつ、全部うちにあるものですから戻して下さい。無いのはキャベツだけ。

お肉はそんなにいりませんよ。お爺ちゃんもお婆ちゃんも肉はそんなに食べないし私たちもそんなに若い頃のようには食べられないんだから。

その白角のウイスキーとソーダですが、さっき通りかかった場所でキャンペーンやっていてセットで売ってたでしょ?あっちの方が300円も安いっす。はい、戻して。今あっちからセットになっている商品持って来るから。

『はんぺんを・・・』

食べれるならどうぞ。食べれないなら賞味期限を見てね。

『あ、今、次女くんにラインしたら、今日はどこも出かけないで家で焼肉食べるって!肉、多目でも大丈夫だよ。』

いや・・・・、どうかな。歯の矯正していたけど今は落ち着いたのかな。

そうこうしているうちに、とうとうしまいには「もう良い!大丈夫!はい、帰ろう!」と距離や空間問題もこちらが強引にカットさせている状況になるのだが、仕方ない。このまま行くと何時間でもダラダラ居るってことが分かるから。

言いかえると何時間もこれやって楽しんでいられる体力があるということで、そこは羨ましく喜ばしいことなのだけど、”食卓”という目標がハッキリしているのでその数時間を30分弱に短縮してしまう私の強引さも凄いのかも。

別種の我儘と強引さが日々勝負しているような。で、「なんで、こんなことしてまで共存しなきゃならないんだっけ?」とたまに言うのだが『共存?あ、一緒に居ることね。いやいや、そこが第一目標でしょ。忘れたの?』と言われて、あれ、そうだっけ?となる。

『あなたは遠そうで近い目標に急ぐの得意で、俺は今のことのようで近そうで遠い生涯の目標に向かう得意だからこれで行こう。よく分からんけど両方大事なことなんでしょう。』

これって、どれ?

世界観とか時間の概念とか視線の置き方が違い過ぎて、分かっていても未だにビックリすることの連続である。

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家に辿り着くといつもの時間にご飯を作っていないお婆ちゃん。「あ、もうこっちの鍋に作ってるから台所使ってええで。」

二人が動くには狭いしコンロの数も限られているのでいつも時間をずらして使っているので度々こんなやり取りがある。

しかしホットプレートを出して来た夫を見てお爺ちゃんが笑っている。「なんだ、焼肉か。」とただ笑っているだけなのだけど嬉しい。

私がタケノコを煮たり野菜を切ったりしている間に階下に降りて来た次女くんが焼肉奉行と化してさっさと焼きだしてくれている。

要らないって言っているお爺ちゃんとお婆ちゃんのために小さくカットして小皿に取り分けている場面もあり。

すると食べるので笑ってしまう。『いやや。うちはもう歯があかんから要らん。』と言っているお婆ちゃんも、笑いながら『いらんわ、そんな安い肉。』と言っている爺ちゃんも、次女くん曰く「ほらあ、出せば食べるんだから。何でいつも要らないって言うんだろうね。」と、次々テキパキと焼いている。

夫にあんなに応戦していたのに結局肉が多すぎたじゃないか!という心配を余所に結構な速さで食べたり焼いたり分けたりしている次女くんの動きにビックリしてしまう。『いやあ、若いとこれくらい行っちゃんだね。羨ましいわ。歯は落ち着いたの?』

幼い頃とは裏腹に、レタスに肉を包んでタレにとマヨネーズで同じ食べ方をするようになっている次女くんにも驚いた。同じペースでレタスが無くなって行くのが気持ち良いくらいなのだけど、時代と共に味覚も変わって行くのだなあとつくづく思う。

小学生くらいの頃、春巻きを分解して嫌いな野菜をはじいてるのを見て『こら、何て食べ方をすか。』と私を怒らせていたのがつい昨日のことのように思えるのに、今は似たような食べ方で結構色んなものをミックスしてワシワシ食べているので。

しかし、量を見るとパワフルだわ。

ところで、娘が肉を焼いたりしていると爺ちゃん婆ちゃんも父さんも皆で『これ、もう良いんじゃないの。』とか『ほら、これ焼かなくて良いのか?』とか、色んなことをワーワー言っている。

別に各自一言二言声をかけているだけでワーワーってわけではないのだろうが、本人にとっては一斉射撃のように感じられたのだろう。『もう、うるさい!』と一喝していたのでそこも笑えた。

基本的にはうるさいパターンの我が家の食卓。毎日ではなくなった今も喜怒哀楽が絶えなくて、銘々好きなときに現れて好きなことを言い、ソファーや座椅子や台所や銘々自分の好きな居場所に引っ込んでいる。

長話をすることもあるが、ふいにTVに魅入ったり居なくなったりするのを見ていて思ったのだが、あら、皆同じようなことをしているのねということ。

5人居れば5人の世界観が存在していて好きに関わり好きなことを言い、ふいに居なくなったり適度にカットしているのだわね。

そんなふうに、時には別宅の夫の兄弟も出入りしたりして、メンバーが入れ替わり立ち代わりしているのだが、いつも一つの場所でゆっくり酒を飲み、食べ、最初から最後までそこに居るのが夫だということに気が付いた。

この狭い空間ではこちらがめっちゃ動いていてあちらが一番じっとしているので、結局はトントンのようだ。

そうかと思ったら焼き蕎麦の段階になって突然張り切り出し動き出したたおっさん。そうだった。久しぶりに観たけど、焼き蕎麦とラーメンだけは手際が良くて作って貰った方が美味しいのだった。

途端に食べる側になって動かなくなる私。

そして深夜になって気が付く。早く帰って来たのにいつもより休むのが遅くなってしまったやないかい。まだ仕事残ってるやないかい。

でも仕方ない。もうちょい頑張りますか。これは私の仕事なのだから。
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今日も最後まで読んで下さってありがとうございました。あなたにとって良い一日でありますように。


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posted by かおる at 06:00| Comment(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする